誘われたけどすぐにOKの返事ができなくて悩むことはありませんか。エッセイストの小川奈緒さんが、実践している4つのこと、返事をするときに意識していることをつづってくれました。

エッセイスト・小川奈緒さん
エッセイスト・小川奈緒さん

お誘いに即答できなくて悩んだら…

職場やママ友のコミュニティーにありがちなお悩みとして、「食事や集まりに誘われると断れなくて、でもつき合う時間はもったいなく感じる」という声をよく聞きます。

わたしの場合、郊外の自宅での執筆がメイン、という働き方になってからは、仕事上の交友関係もぐっと減ったし、子育てはしてもママ友と交流する余裕はないという慌ただしい日々を送ってきたので、誘われて困る相手から誘われる、という状況がそもそも起こりにくい立場なのですが、基本的には「誘われて悩む」ことはあまりなく、忙しくても行きたいと思えばなんとか調整するし、スケジュール的には行けるけれど、なんとなく気が進まなければ、すぐに断ります。すごく行きたいけれどスケジュール的に難しい、という場合は、その思いを伝えて次回につなげるお返事をします。

ただ、仕事のお誘いやオファーは、「誘われて悩む」ことがしょっちゅうです。こんな本をつくってみませんか、今度こういうイベントがあるので参加しませんか、こういうテーマで取材をさせてもらえませんか、といったお声がけのほとんどは、「おもしろそう!」と胸が躍るものばかり。

でも、すべてを引き受けていたら、今自分がやるべきことに集中して取り組めなくなります。だから、まずは魅力的なお誘いをいただいたお礼を伝えつつ、即答は避けて、少しだけ返事を預からせてもらいます。とはいえ、時間を置いて結局断るのでは相手に迷惑をかけるので、返事を保留した時点で、受けるか、断るか、自分の答えはどちらに針が振れているかを感覚的に把握しておく。もし断ることになりそうなら、できればその日のうちに、遅くとも2日以内には、誠意を持って断る意向を伝えます。もちろん了諾のお返事も、早いのに越したことはありません。宿題と同じで、早くすませればそのぶん自分の心が軽くなるし、相手も喜んでくれます。