寒い時季は暖房機器の使用により、電気代も高くなります。できることなら、少しでも電気の利用料金は節約したいもの…。そこで今回は電気代を抑えるコツなどを、家電王こと、東京電力エナジーパートナー お客さま営業部の中村剛さんに教えてもらいました。

バスルーム
電気代が高くなる意外なところは?(※画像はイメージです)

電気代が高騰する意外な落とし穴

つくり出す温度差が大きいと多くの電気を使用するので、どうしても冬の電気代は高くなる傾向にあります。なかでもいちばんの要因は暖房機器ですが、続いて大きいのが「給湯」です。

「1年を通して給湯は行いますが、冬場はもともとの水温が低い。それに伴って、温める温度差も大きくなりますので、どうしても電気代が高くなりがちです。ですから、一度温めた熱を逃がさない工夫をすることが節電につながります」(中村さん、以下同)

ベースの電気使用量が多くなりがちなこの時季は工夫をすることが大切になってきます。そして、中村さんによると意外と見落としている箇所が「浴室乾燥機能」だそうです。

「浴室乾燥機は、1日5時間運転すると、約185円かかります。これをもとに計算すると、1か月(30日)で約5550円、365日使うと約67525円と、結構な負担になります。もし電気代が高いと感じたら、浴室乾燥機の使い方を見直してみるのも手。メリハリをつけて使用することがカギです」

※試算条件/乾燥(強):1190W:1.19kW×31円/kWh→約37円/1時間当たり、仮に1日に5時間運転(24時~翌5時)して乾燥させると、約185円/日

消費電力が高いものは「メリハリ」をつけることが大切

家電を使用する際に大切なことは「メリハリ」であると中村さんは言います。たとえば、「冷蔵庫」。消費電力量に注目すると、買い替えた方がおトクになる場合もあります。

「最近の冷蔵庫は、省エネ技術や断熱性能の向上、コンプレッサー性能の改善により、非常に効率的になっています。なかには、消費電力が10年前に比べて約半分になっているものもあります。そのため、“ポジティブ”な買い替えがおすすめです。

とくに2017年以降のものは、性能が大きく改善。仮に年間電力消費量が300kWhだと、月間の電気代は800円弱程度になります。中にものをつめ込みすぎないよう適切にすれば、省エネ効率もよりアップ! 古い冷蔵庫を無理に使うよりも、新しい省エネ冷蔵庫に買い替えて、中を整理整頓した方がフードロス対策にもつながり、一石二鳥です」

冷蔵庫の買い替えというと“壊れたとき”というイメージが多いですが、壊れる前に高性能なものにリニューアルした方が、結果的にはおトクになるはずです。

「節約テクとして、開閉時間をできるだけ短くするといい、冷蔵庫内にカーテンをつけるといい、など散見しますが、節電と言えるほどの効果はありません。逆にカーテンをつけることで、庫内の冷気の流れや省エネ性能を妨げる可能性も。それよりは、『15年以上前のものをまだ使っていないか?』といった見直しをした方が家計にとってプラスになると思います」

このポジティブな買い替えは洗濯機や乾燥機、エアコンも同様のことが言えます。そして、「今どきは、電気代を見て家電を選ぶことが大切です。全体としての節電を考え、適切な製品を使っていくことが重要」と中村さん。

「家電製品を更新することは悪いことではありません。ただ、その選び方を前もって考えておかないと、ポジティブな体験がマイナスに変わってしまいます。目の前の価格だけではなく、使い勝手がよく、快適に暮らせる製品を選んだ方が結果としておトクに暮らすことができますよ」