手放したあとの生活

ベッドを手放したあとは、以下のメリットがありました。

●1:家事の手間が減った

ベッドメーキングが不要になり、朝の支度がラクになりました。毎日シーツを整える時間が必要なくなり、その分をほかの家事に充てることができます。

ベッドメーキングに毎日5分かかっていたとすると、1年間で約30時間も時間ができます。もちろん、シーツの洗濯もシーツを買い替える必要もありません。

●2:スペースの有効活用

ベッドを置かなくていい分、部屋を広く使えるようになりました。それに伴い、複数のシーツも捨ててしまったので、収納スペースもあきました。

私がもっている寝具は、毛布1枚、ネルのシーツ1枚、上掛けとして使っている夏用の羽布団1枚だけで、通年で同じものを使っています。木枕を使っているので、枕カバーも必要ありません。すべて軽量なので、出し入れはとても簡単です。

現在の私の住居の寝室はかなりせまく、シングルベッドを置くだけでも部屋の半分以上を占めてしまいます。

●3:どこでも寝られるようになった

床で寝るようになってからは、畳やカウチ(横たわることのできる長イスやソファ)、キッチンなど、毛布を敷くスペースさえあれば、どこでも平気で寝られるようになりました。もちろん普通のベッドでも寝られます。

旅行や帰省の際も、寝る場所にこだわらなくなり、寝床に対するストレスがなくなりました。

里帰りしたときは布団に寝ていますが、せんべい布団でも問題なし。娘の家に泊まるときはカウチに寝ますが、ふつうに熟睡できます。

昔は硬い寝床が苦手で、親戚の家の寝床が硬くて、ほとんど寝られなかったことがあります。今はそういうことはいっさいありません。

心地よい場所を見つけて、すぐに寝られるのは、とてもお得なことだと思います。

●4:コストが削減した

ベッドはもちろん、たくさんの寝具を必要としないので、これらに使うお金を節約できます。ベッドに限らず、ものが増えれば増えるほど、メンテナンスに時間とお金を使うことになるので、寝具を最小限にしておくのは有効な節約法です。

また、どんな場所でも寝られるので、その気になれば、旅行中の宿泊費もカットできます。

引っ越しするときの荷物が減るので引っ越し代も安くあがるし、狭いスペースで住めるので、長い目で見ると住宅費も節約できますよ。

●5:その他のメリット

ほかにも以下の利点を感じています。

・ベッド関連のものをもたなくてすむので、引っ越しも普段の暮らしも、格段にラクになる。

・ベッド下に余計なものを収納しなくなるので、「しまい込んだまま使わないもの」が増えない。

・床に寝ると、背中や腰の筋肉を自然な状態で保つことができると言われています。私の場合、これにより腰痛が軽減されるなどの効果を感じました。ただし、これは個人差があるため、すべての人に効果があるわけではありません。

日本にいたときは、ベッドに敷布団を敷いて寝ていましたが、私がカナダに来てからは、このベッドを母が使っていました。高齢の母は、布団の上げ下げが大変だったので、ベッドのほうが都合がよかったのです。

私自身は、ベッドを手放したおかげで、シンプルな暮らしに一歩近づくことができました。皆さんも一度、ベッドや分厚い敷布団が本当に必要かどうか考えてみてはどうでしょうか? 手もちの寝具を見直すだけでも、よりシンプルで快適な生活が手に入るかもしれませんよ。