●家族や友人同士の祝い方

家族や友人同士でカードやお菓子を交換することもあります。日本でもそうだと思いますが、バレンタインデーのような記念日が好きなのは、女性のほうが多く、母親が娘にカードを渡したりします。

店にはバレンタインデー専用のグリーティングカードが多く並んでいます。最近、カナダでもインフレが進みカードも高くなっているので、安価なボックスカード(箱に同じカードがセットで入っているもの)を買うか、ダラーストア(カナダの100円ショップ)を利用する人が増えています。

私は娘にネットでスターバックスのギフト券を送っています。娘の誕生日が9月で、クリスマスもある1年の後半は、娘にギフト券を贈る機会が多いですが、前半はなにもないのでバレンタインデーを利用します。

●学校での祝い方

バレンタインデーは幼稚園や小学校低学年の子どもたちが学校で祝う典型的なイベントのひとつです。

この日は、子どもたちが「バレンタイン」と呼ばれる小さなカードを交換します。人気のキャラクターがついたカードがたくさん市販されていますカードにチョコレートやハート型のキャンディーなどちょっとしたお菓子をつける子どももいます(もちろん、親の配慮です)。私も娘が小学生のとき、クラス全員に渡すカードを折り紙を利用して、手づくりしました。

娘が通っていた小学校では、バレンタインランチまでありました。これは、体育館で生徒が弁当を食べるイベントです。このとき、リーディングバディ(高学年の子が、幼稚園の生徒に本を読んであげるペア)と一緒に座って小さなギフトを交換しました。パートナー同士、お互いに弁当をつくることもしていました(親が用意します)。

こういった行事は、校長の意向が大きく反映されるので、特別なことをしない学校も多いでしょう。クラスでカードを交換する時間を設けない先生もいます。

ものよりも気持ちが大事

私は以前、お菓子をつくることが趣味だったので、バレンタインデーにはピンク色のアイシングがかかったチョコレートクッキーやハート型のケーキを焼いていました。

ただ、これは私がお菓子をつくるのが好きだったからやっていただけ。バレンタインデーに特別な思い入れはありません。私の元夫も、この日になにかをくれることはありませんでした。

シンプルライフを心がけている者として、私はバレンタインデーには余計な贈り物をしない方がいいと考えています。最近の日本のことはわかりませんが、私が日本で会社員をしていた1980年代~90年代初め頃は、この日がストレスになっていた人もたくさんいました。

女性は誰にどの程度のチョコレートを渡すべきか悩み、男性はチョコレートがもらえないと落ち込んだり、逆にたくさんもらってホワイトデーのお返しに悩んだりしますよね。ギフトは捨てにくく、使わないと“不用品”として家の中にたまってしまうこともあります。

バレンタインの日には、自分が大切に思っている人が本当に喜ぶようなものを贈るのがいいのではないでしょうか。それは必ずしもチョコレートではなく、話を聞いてあげたり、頼み事を手伝ってあげるといったことでもすてきなプレゼントになりますよ。

今回はカナダのバレンタインデーについて紹介しました。記念日の祝い方は人それぞれですが、せっかく祝うならストレスのない形で過ごしたいですね。