年末年始、親と過ごす機会が増えるこの時季、親世代の暮らしが気になることもあるかもしれません。もし片付けられない親だったら、なにかと心配になるもの。そこで、コミュニケーションを通じて、「片付けることで得られるメリット」をうまく伝えて、一緒に取り組んでみませんか? 整理収納アドバイザーの原田さよさんに教えてもらいました。

リビング
私の娘が2人目を出産した後、上の孫とともにわが家で過ごしたときのリビング。狭くても床置きのものが少なく安全に過ごせました
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高齢の親には、片付けの目的を具体的に伝える

高齢の親に家を片付けてほしい場合は、こちらの思いを素直に伝えてみるのがおすすめです。

●同居している場合

一緒に住んでいて困っているなら、「私たちのために協力して欲しい」と率直に伝えるのがいいでしょう。たとえば、親との共有部分であるリビングからキッチンへの通り道に宅配で届いたダンボール箱が積まれたままだったり、洗面脱衣室の床に大きな詰め替え用洗剤やシャンプーの予備の袋がいくつも立ててあったりするなら、「整理してくれると、○○(孫の名前)が動きやすくなるので助かる!」というように、ソフトな口調で頼んでみるといいでしょう。

また、冷蔵庫にものがいっぱい入っていて、そこに賞味期限ぎれの食品があるのを見つけたら、「こんな古いものがある!」と責めるより、「子どもが間違ってそのまま食べてしまわないよう処分しましょうか」と言う方がいいでしょう。

●離れて住んでいる場合

帰省などで親が住む家に行ったとき、もし片付いていなかったら心配になってしまうでしょう。でも、あくまで親が住んでいる家です。伝え方としては、たとえば「転んでつまづかないように片付けよう」と言ってみるのはいかがでしょうか。

洗面脱衣室に使っていない洗剤がたくさんあったり、冷蔵庫がギュウギュウ詰めだったり…。こうなってしまう理由として、買いに行けない日のためにストックしておきたいという安心感によるものや、セールで買うお得感で満足しているということなどが挙げられます。また、買ったものの使いこなせなかったり多すぎて把握できていなかったりするという、年齢的な衰えによるものもあります。

親を怒らせずにものを減らすには、「いつ使うの!」はNG。洗剤が多すぎるならそれを使って掃除してあげるついでに「使うものだけにしようか」と言ってみることから始めてはいかがでしょうか。