毎日、私たちが当たり前のように使用する電気。安定的に供給するため、電力会社では、さまざまな発電方法で電気をつくっています。料理、洗濯、掃除と、すべての家事に欠かせない電気ですが、CO2削減など、考えなくてはいけない問題も山積み。今回はフリーアナウンサーの中村仁美さんとともに、「暮らしを支える電気のギモン」について考えてみました。
朝から、料理、洗濯、掃除…と大忙し。そんなすべての家事に、電気が欠かせません
平日は、朝5時から中村家の家電はフル稼働しているそう。
「わが家のキッチンはIHだから、朝食も長男のお弁当づくりも電気が頼りです。お弁当の人気おかずは揚げ物。前の晩に揚げておき、朝ノンフライヤーで加熱すると、揚げたてみたいにおいしくなるんですよ」(中村仁美さん、以下同)
そして、洗濯や掃除も同時にこなします。
「洗濯機は、最低1日2回は回しています。ちなみに、それは私と子どもの分だけ。夫は洗剤からすすぎまでこだわりがあるから、自分のものは自分で洗濯しているんです(笑)。部屋の掃除も子どもたちが元気に汚してくれるので、掃除機がけが追いつかないほど。だから、わが家はほかの家より電気を使っているかも…。電気のない生活は考えられないですね」
そんな中村さんの息抜きは、短時間でできるスマホゲーム。
「家事の合間、気分転換にパズルゲームをしています。夫と子どもは対戦ゲームで盛り上がってます。自分時間も家族のコミュニケーションにも電気が必要です」
なくてはならない電気が届かず大変な思いをしたことも。
「夏休みに家族で訪れた旅行先で停電に遭い、冷房が使えずに大変な思いをしました。以前、マンションの点検で一時的に停電したときもトイレが使えず困った記憶があります。電気は私たちの暮らしのライフライン。毎日当たり前に電気が使えるって、じつはすごいことなのかも。電気のない暮らしは想像できないからこそ、私たちみんなの課題として、電気のことを考えていきたいですね」
暮らしを支える電気のギモンQ&A
電気にまつわる素朴な疑問について電気事業連合会の方に答えてもらいました。
●Q1:そもそも電気はどうやってつくられているの?
A.ガスや水道と違ってためておけない電気。そして電気はつくりすぎてもたりなくなっても停電につながるため電力会社では24時間365日、みんなの使用量に合わせて電気をつくっています。
日本では、火力発電や原子力発電、水力や太陽光、風力発電などの再生可能エネルギーといった発電方法を組み合わせて電気をつくっています。
●Q2:いちばん使われている発電方法は?
A.日本では、火力、原子力、再生可能エネルギーをバランスよく組み合わせて発電することを基本としていますが、現状は日本の発電量の約7割を火力発電で賄っています。
●Q3:いろいろな発電方法を組み合わせているのはなぜ?
A.日本はエネルギー資源に乏しく、火力発電の燃料(石炭や石油、天然ガス)は、ほぼ輸入に頼っています。また島国の日本は、他国と送電線がつながってないから、必要な電気は国内でつくらなければなりません。
ただ、火力発電ばかりに頼ると、仮に燃料を調達できなかった場合、電気がつくれないことに…。だから国内の水力や太陽光、風力発電といった「再生可能エネルギー」に加えて、少ない燃料でたくさんの電気がつくれる「原子力発電」をバランスよく組み合わせる「エネルギーミックス」が重要なんです。
●Q4:再生可能エネルギーだけではなぜダメなの?
A.再生可能エネルギーは発電時にCO2を排出しませんが、発電量が時間帯や天候等に大きく左右されるのが弱点。だから、瞬時に発電量を調整しやすい火力発電でカバーしています。
どの発電方法にもメリット・デメリットがあるから、電気の安定供給には、それぞれの長所を生かしてバランスよく組み合わせることが大事なんです。
<3つの発電方法の特長>
■ 火力発電(天然ガス、石炭など)
たくさんの電気をつくることができるうえ、消費量に応じて発電量が調整しやすい反面、発電時にCO2を排出するほか、燃料の大部分を輸入に頼る必要が。
■ 再生可能エネルギー(水力、太陽光、風力など)
発電時にCO2を排出せず、国内にある自然エネルギーから電気をつくれる一方、発電量が時間帯や天候等に大きく左右されるため供給が不安定に。
■ 原子力発電
発電時にCO2を排出せず、少ない燃料でたくさんの電気を安定的につくることが可能。その一方で、放射性物質の適正な管理が必要に。
「CO2削減や電気の安定供給など、考えなくてはいけない問題は山積み。だからこそ、さまざまな発電方法をバランスよく組み合わせることが大事なんですね」
協力/電気事業連合会 https://www.fepc.or.jp/