だれも幸せにならない罪悪感はもたないようにする

にしおかすみこさん
「私も絶賛迷子中です」とにしおかさん
すべての画像を見る(全2枚)

――ただ、こう言ってはなんですが、イラッとすることはありませんか?

にしおか:基本的には、「できないこと」ではなく、「できること」を見るようにしています。でも…イラッとしますよ。たとえば、小さなことですけど、私、家族のごはんのつくりおきをしているんです。その保存容器はいつも母が洗ってはくれるんですけど、ヌメッとしているんです。夜中、仕事から帰ると、まずはそのヌメッとした保存容器を洗い直すんです。

――あぁ…。

にしおか:本人は洗った気でいるし。毎回だから、内心、イラッとするわけです。でもそれはやっぱり、仕事で疲れて帰ってきたからで、元気だったら気にしないだろうなって。だから、イラッとはするけれど、きり替える方が大事かなって。イヤなことに目がいって、イラつくときって、だいたい自分が疲れて、弱っているときなんですよね。

――いわば、心のSOS。

にしおか:はい。それを察したら、高いランチを食べに行くとか、趣味のベジタブルカービングとかをして解消します。ちょっと病みそうになったら、なるべくすぐ戻すことが大事だと思うんです。病んでしまうと、そのことにすら気づけなくなるし、おかしな判断をしちゃう。自分では戻ってこられなさそうだから。

――ついつい、感情的な態度をとってしまうことはありませんか?

にしおか:それも多少はあって、自己嫌悪ではないですけど、チクチク胸が痛むこともあります。ただ、我慢できないから言ったわけだし、後悔してもだれも幸せにならないから、そういう罪悪感は抱かないようにしているかな。

――家族のことを文章にすることで、笑いに変えられたりしますか?

にしおか:読んでくださった方に笑ってほしいと思いますが、“ネタ”ではないんですよね。それは、SMのネタつくっているときとはまったく違います。「ネタになる!」って思えるくらいの心の余裕があったらいいんですけど、日々生きるのに精いっぱいです。

ESSE11月号特集「にしおかすみこさんと考える『うちの親、大丈夫?』と思ったらできること」では、にしおかさんインタビューの完全版や、遠隔介護を可能にする実家IT化のコツ、親の異変に気づいたきっかけなどを紹介しています。

ESSE(エッセ)2024年11月号

ESSE(エッセ)2024年11月号

Amazonで見る
実家と親の悩み まるごと解決!BOOK(別冊エッセ)

実家と親の悩み まるごと解決!BOOK(別冊エッセ)

Amazonで見る