自分のことで、いつまでも受け入れられずに悩んでしまうことはだれしもあるもの。ネガティブな感情ほど、人に相談するのがはばかられることも。ここでは、女性たちのさまざまな悩みに向き合ってきた産婦人科医・高尾美穂先生に、マイナスな感情とうまくつき合うためのヒントを教えていただきました。
すべての画像を見る(全3枚)周りと比べてネガティブになってしまう
お悩み「あの人の方が評価されている、給料が多い、あの人は結婚しているのに私は独身など、職場で周りと比べてネガティブな気持ちに。そうならないためになにを心がければいい?」
●自分自身による評価にも目を向けて
人と比べて自分が勝っていると感じるのが「優越感」、劣っていると感じるのは「劣等感」。どちらも人と比べること自体が、前向きではありません。なぜかというと、自分の軸が人にあり、人と比べることによって自分自身を保っている状態だからです。
私たちは社会において常に評価されながら過ごしている、これはたしかです。たとえば、昇進するかどうか、昇給するかどうか、ひとつひとつのお客さんとのコミュニケーションですら、今は口コミといった形で評価されたりもします。
では、私たちは周りからの評価をどう受け取ればいいのでしょうか。自分自身による評価と周りの評価とを見比べたときに、「自分が思っている評価に近い評価を、周りからも受けられているか」という点に、目を向ければいいのです。たとえば、お客さんとのコミュニケーションがイマイチだったと思うのであれば、イマイチな口コミをもらってもしょうがないなと受け取る。もし自分でよくできたと思った仕事に対して、上司からも同じ評価をいただけたのであれば、ちゃんと見てもらえているんだなと受け取る。ネガティブな気持ちをもってはいけないということではなく、私たちの素直な気持ちだからこそ、自分で受け止める。
そのうえで、さらにネガティブな感情を抱かないようにするには、周りと比べるのではなく、もし比べるのであれば、以前の自分と比べること。周りの芝生は青く見えますが、自分の庭の芝生を青くするのは自分以外にいない。ぜひ、いいなと思うような本を読んだり、映画を見たりして、自分の感情を豊かなものにしていってくださいね。