「なせばなる!」の言葉に力をもらった

大泉洋さん
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映画『ディア・ファミリー』は、娘のために人工心臓をつくろうとした、とある家族の実話を基にした感動作。大泉さんが演じたのは、1970年代に、娘の余命を宣告された小さな町工場の経営者・坪井宣政です。実際にモデルとなったご本人に会うことで、大泉さんは一気に役のイメージがつかめたのだそう。

「モデルとなった筒井宣政さんは、今なお生命力や強さにあふれた方。『ああ、この人ならやるな』と感じましたし、ご本人も『なせばなる!』と何度もおっしゃっていて。世代もありますかね、どこか僕の父親にも通じるものがある気がしました。うちの父も本当にエネルギッシュで、昔から休みの日も休まない。80歳を超えた今も、自分で雪かきしようとしますから、僕がいても。もう頼むからやめてくれ、世間の目もあるから頼ってくれって(笑)」

月川(翔)監督はそんな大泉さんが感じた「坪井宣政像」を尊重しながら撮影を進めてくれたといいます。

「ただ、それでもこの作品はドキュメンタリーではありません。実在の家族の想いは大切にしつつ、映画にはどうしてもエンターテインメントとしての表現も求められるし、その方が伝わるメッセージもあります。役者としては、ぜひ双方が満足するお芝居をしていきたいと思っていますが、その塩梅(あんばい)には常に悩みますね。月川監督の現場は、映画をつくることへの愛情にあふれた場所でした。ぜひ多くの方にこの作品を観ていただければと思っています」