宝塚歌劇をこよなく愛するヘアメイクアップアーティストの山本浩未です。私、「TAKARAZUKA」を知って人生が変わりました! そんなTAKARAZUKAのすばらしさを皆様にお伝えするべく、観劇の感想や、今後の公演への期待をつづります。すべては私の妄想、個人的な感想&意見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
vol.64 星組公演『アルジェの男』『ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~』
すべての画像を見る(全1枚) ミュージカル・ロマン『アルジェの男』第二次世界大戦前、フランス占領下にあったアルジェリアとパリを舞台に、孤児として育ちながら、大いなる野望を抱いて成功への道を駆け上がろうとする青年ジュリアンの生き様をドラマティックに描いた物語。彼を愛する三人の女性たちとのドラマを絡め、一人の青年の光と影を鮮やかに紡ぎ出す名作ミュージカルの再演。
スーパー・レビュー『ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~』スペイン語で星々を意味するエストレージャス。人々の心に輝きを届ける満天の星々を星組生にたとえ、“だれもが星のように光を与えることができる”というテーマのもと、星組のエストレージャスたちが届ける、生き生きとした歌声や躍動感溢れるダンス。
礼真琴さんを追いかけ、全国7か所で「全ツ」鑑賞!
次期トップが決まった礼 真琴(れい まこと)さんを追いかけ、令和初の全ツ(全国ツアー)の星組さんを観に行きました。
ラストの札幌は、一年のうちでいちばん気持ちいいという5月、行くっきゃないよね! そして、どうせ行くなら2回観なきゃだよね! と、ぜいたくな遠征になりました。
演目は『アルジェの男』と『エストレージャス~』の二本立て。『アルジェの男』は初演が鳳蘭(おおとり らん)さん。それは観てないけれど、10年前の月組の再演を観ているはず。ほぼ忘れている状態での観劇。
『エストレージャス~』は、前回の大劇場公演の全ツバージョン。『~星たち~』ってサブタイトルにあるように、群舞が多くてボリューム感が好きだったショーです。
まず、『アルジェの男』。
いやー、すごい! びっくりした! 名作です!
とにかく主演の礼真琴さんがいい! 歌よし、ダンスよし、演技よし、知ってはいたけど、凄すぎっ!
礼さんの魅力は・・・
まず"7つの声"。
いろんな声を使い分けてる、という感じでしょうか。目を閉じてても、声で情景や感情が伝わってくるのがスゴイ!
次に"間の取り方"。
台詞や動作、仕草で空気を動かす。チンピラ時代、修行時代、出世時代と経過がちゃんとわかるのがスゴイ!
そして"ブレない"。
卓越した運動神経と肉体で役になりきる。360度、ジュリアン(役名)!
『アルジェの男』全体の魅力に戻ると、ウエストサイドストーリーのようなオープニングもよかった!
先だっての宙組『ウエストサイドストーリー』にも出演した、専科の愛月ひかるさんが特別出演。小さい頭でスラリとした長身、シャープな印象の愛月さんが加わることでリアルさが出てましたね。礼さんのジュリアンとの対比もいい。
ところで、「全ツ」のいいところは、人数が少ない分、下級生に役がつくところ。大劇場公演にはない配役で、意外な魅力が見つけられるんです。
たとえば、ボランジュ総督の朝水りょうさん。
クールなイメージで、シャープな線の細い美しい男役さん、と思ってた。そうしたら、落ち着いた含みのある演技! ジュリアンがボランジュ総督を信じてついて行こうと決意したのに納得!! じつは演技派だったと知る。
紫藤りゅうさんはさらにさらにきれいになってた。スラリとした姿に少し甘めのお顔立ち。育ちのいいナイスガイ役がぴったり。
そしてジュリアンを巡る3人の女のチャーミングなこと!
まず、第1の女。昔なじみのサビーヌ・音波みのりちゃん。影ながらジュリアンを助け愛する女です。
そして第2の女。大臣の娘エリザベートには、桜庭まいちゃん。勝気に振舞いながらジュリアンが好き。
第3の女は、盲目の令嬢アナ・ベル。こちらは小桜ほのかちゃん。純粋にジュリアンを愛するお嬢様。
この3人ともお役にぴったり、ホントよかった!
そして後日(宝塚専門チャンネルの)スカステニュースで流れた、全ツ千秋楽のダイジェストで、組長さんのご挨拶「シャルドンヌ婦人も大好きな」ってコメントに、テレビの前で「私たちもー!」ってうなりました(「シャルドンヌ婦人」は、組長の万里柚美(まり ゆずみ)さんのお役です。"第3の女"こと盲目の令嬢アナ・ベルのおば様です)。
ポテンシャル高い新しいトップさん、礼真琴さま!! 楽しみっ!!