日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「しゃべっていたら涙が出てきちゃった」と、心に秘めた苦しい思いを話してくれたのは北海道在住の主婦、理絵さん(仮名・38歳)です。激務の夫とナイ生活が続いて7年。レスのきっかけや解消した経緯について、詳しくお話してくださいました。
すべての画像を見る(全5枚)結婚前から親友に心配されていたレスの予兆
高校時代の同級生と地元のお祭りで再会し、2年の交際を経て結婚した理絵さん。大学で研究者として働く夫とは、結婚してから1年が過ぎた頃からレスになってしまいました。
「高校を卒業してから、私は地元の企業に就職したんです。工場の生産管理の現場で、あまり出会いがありませんでした。そろそろ将来をきちんと考えられる人と…、と思っていた29歳のときに、今の夫と偶然、お祭りで再会。向こうは道内にある大学に勤めていて、車で1時間くらいのプチ遠距離でした。さみしくはないけれど、気軽に会える感じでもないので、デートの頻度は月に1、2回くらいでしたね」と理絵さん。
デートのときには毎回求められていたという理絵さんでしたが、当時、頻繁に飲みにいっていた幼馴染の親友A子には「それ少なすぎない?」と心配されていたそう。
友達の不倫話にドン引き
「30歳手前で結婚した私と違って、A子は高校卒業してすぐに幼馴染の男の子と授かり婚をしました。愚痴みたいな感じで、旦那さんの女性問題の悩みを聞いたりしていたのですが、このとき、『私はもう外ですることにした』って不倫の告白をされたんです。私のなかではよき妻、よき母であるA子のイメージしかなかったので、急にそんなことを言われて、正直引いてしまいました」と理絵さん。
A子さんは、2年前に発覚した旦那の浮気が原因で夫婦生活が途絶え、ずっとレスになっていたそう。夫との関係は修復できず、悩んでいたときにハマってしまったのがマッチングアプリ。そこで出会った同じく既婚者の男性とつき合い始めたという告白をされたのです。
「私がレスで悩んでいるときに不倫のカミングアウトをされても、なんだかA子が自分の行いを正当化する言い訳をしているだけにしか聞こえなくて…。そこから距離をおくようになってしまいました。A子からも不倫話をしてはいけない人認定をされたのか、それまでのように頻繁に連絡がくることもなくなって、だんだん疎遠になっていきました。けれど、あれから数年経って、今ならA子の気持ちがわかるんです。そういうこともあるよねって…」
レスの悩みは孤独との闘い。「相談できる人はいません」
「夫とつき合っていたときは、お互い仕事があったし、物理的に無理なく会えるのが月に1、2回。結婚して私は仕事を辞めて、夫の住むマンションに一緒に住むようになりました。毎日一緒にいるんだから、もっと頻繁にできるのかなって期待していたんです。そういうのを具体的に話し合ったわけじゃないんですけれど。せめて2、3日に1回とか…。ところが現実は、月に1回が、2か月に1回、3か月に1回とどんどん間隔があいていって、どうしていいかわからなくなってしまいました」
だれか相談できる人はいたのですか? と聞いてみると、首を横にふる理絵さん。
「親や親族にそんなこと言って、夫に変なイメージがついちゃうのはイヤだし、こういう赤裸々な話ができる友人もいません。ちょっと都合がいいけれど、幼馴染のA子とあのとき、疎遠になっていなければ、一緒に悩みを共有できたのになって後悔もしています。不倫する人って“悪”みたいな印象があるけれど、夫婦関係ってその人にしかわからないものがあります。そんな簡単な話じゃなかったんだなって」
こうして夫婦生活が立ち消えた悩みを一人で抱えることになってしまった理絵さんですが、時を同じくして、夫の両親からお正月にデリカシーのない発言をされてさらに落ち込んでしまったそう。
レスなのに義理の親から子どもを急かされる
「悪気はなかったんだと思います。ただ夫のお姉さんが40歳すぎの高齢出産だったんですけれど、妊娠中に深刻な出血に見舞われて、すぐに病院へ駆けこんだけれど間に合わなかったそうで…。残念な結果になってしまったから、その年のお正月は、親族みんな『おめでとう』っていう感じにはならなかったんです。そういう状況だったから、義父は私のことも心配という意味で『子どもは早いほうがいいよ』って真剣に言ってきたんですけれど、こっちは望んでいてもそんな状況じゃないので結構メンタル的にキツかったです」
当事者である夫もその場にいましたが、なにも助けてはくれなかったそう。
「夫はなにも言いそうな雰囲気もなく、ただ黙ったまま自分のスマホでゲームをしていました。聞こえてないわけないと思うんですけれど、なんとかしてよ! って腹は立ちました」