老後のために暮らしをサイズダウンするコツを紹介します。節約するなら、まずは予算立てを。また、出費を減らす費目は、1つではなく複数から設定しましょう。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが、出費にまつわるポイントを詳しく教えてくれました。

周囲の話に惑わされないこと。自分の暮らしのサイズに合わせて前向きに準備を
周囲の話に惑わされないことが大切。自分の暮らしのサイズに合わせて前向きに準備を

まだ間に合う!プロが教える老後のための暮らしのサイズダウン

必要な老後資金について、「最低でも2000万円」「5000万円はないと安心できない」など、メディアなどにはさまざまな数字があふれています。

「それぞれの家庭で年金額も生活費も異なるのに、ひとくくりに『いくら必要』と決めつけても意味がありません。うのみにして、一喜一憂するのはもうやめませんか」と語るのは畠中雅子さん。

「60歳にもなれば、自分が貯められる資金はある程度目安がつくはず。重要なのは、そのお金で安心して暮らしていくために生活設計を立てることです」

今の生活費はいくらで、老後はどれくらいになりそうか、年金はいくらもらえて、貯蓄はいくらあるのか…ひとつずつ数字を書き出し、この先の暮らしをシミュレーションしてみて。もし、赤字になりそうだったら、減らせる支出がないか検討してみましょう。なにから手をつければいいか、見直しアイデアを紹介します。

いたずらに老後を不安に思わない

老後はいつまで元気でいられるのか、病気や要介護になるのか、不確定要素が多いだけに不安が募りがち。

「不安は、数字にして“可視化”することで解消されます。いたずらに不安がるのをやめ、現状を知ることが老後の安心への第一歩です」

基本の生活費は、1か月に受け取るお金の範囲内に収める

老後は、普段の生活費をできるだけ年金の範囲に収め、貯蓄は特別支出やいざというときのお金に充てるのが基本。年金額に合わせて、まずは家計設計を見直しましょう。

<老後に必要なお金の計算方法>

(A)基本的な生活費

1か月の基本の生活費×12か月×30年(95歳-65歳)

(B)特別支出

年間にかかる特別支出×30年+その他の特別支出(リフォーム、旅行、病気や介護に備えるお金)

真っ先に準備したいのが、生活費の赤字補てん分と固定資産税など年間の特別支出。生活費の赤字を抑えれば、レジャー費などに回す資金を増やせる。