チェコの食事といえばビールのイメージがありますが、街中にはカフェがたくさんあり、種類豊富なスイーツも楽しめる国です。
じつは素朴でとてもおいしいチェコスイーツについて、旅行ジャーナリストの小野アムスデン道子さんが取材。
チェコの家庭でつくられる代表的なケーキ「バーボフカ」のレシピとともに紹介します。
素朴でおいしいチェコのスイーツ。街歩きしながらお気に入りを見つけて
すべての画像を見る(全8枚)ゴシック様式やバロック様式はじめ歴史的な建物が立ち並ぶチェコの首都プラハ。いつも観光客でにぎわうプラハの旧市街広場は、カフェや屋台がたくさん。
そんなプラハの美しい街を散策しながら、美食スポットを巡る「テイスト・オブ・プラハ」というツアーが催行されています。
じつはチェコのスイーツは種類が豊富。なかでも、おばあちゃんがつくるような素朴なパンやスイーツに心ひかれます。
最初に立ち寄った「エマ・エスプレッソ・バー EMA espresso bar」で出てきたのは、プラムジャム入りのパン「ブフタ」。ブラックコーヒーがとても合います。
チェコ語で「かわいいお嬢さん」という意味のブフタ。パン生地には、小麦粉と上白糖、バターまたはラード、牛乳、卵が使われていてイーストでふんわり焼き上げています。パンの中には、ジャム、クリームチーズ、ケシの実ペーストが入り、表面には粉砂糖が。
ケシの実を使うのが好きなチェコの人たち。ケシの実を挽くためのミル「ムリーネック」なんてものもあります。
こちらは甘酸っぱいサワーチェリーのパン「コラーチ」に、クリームコロネのようなパン「クレムロレ」。
屋台で売られている「トゥルデルニーク」は、小麦粉を丸いパイプに巻きつけて焼いたパンのようなお菓子。サクッとしたおいしさで、シナモンやナッツをかけたり、クリームやチョコレートなど、さまざまなトッピングを載せる場合も。
ちなみに東京でも今年4月、麻布十番にトゥルデルニークのお店「チェスキー Cesky」がオープン。ぺろりと食べられる軽い食感のおやつです。
「チェコのお菓子屋ツックル」に教わる! チェコのケーキ・バーボフカのレシピ
チェコには、クリームやバターを使った色とりどりのケーキが並ぶケーキ屋さんもありますが、家で焼き菓子やクリスマスのお菓子をつくるのも大好きだそうです。
「チェコのお菓子屋ツックル」として、チェコのレシピそのままにチェコのお菓子を製作、販売している小澤美沙季さんに、「バーボフカ」という家庭でつくられる代表的なケーキのレシピを教えてもらいました。
バーボフカはクグロフ型で焼き上げるスポンジケーキで、卵の泡立て具合やバターを使うかオイルを使うかなど、家庭ごとにレシピには違いもあるのだそう。
バニラとココアのマーブルが定番で、簡単にホームメイドの味が楽しめます。
●バーボフカ
【材料(直径22cm×高10cmのクグロフ型1台)】
・薄力粉 250g
・グラニュー糖 180g
・卵 5個
・バター 100g
・牛乳 100g
・ベーキングパウダー 12g
・ココアパウダー 10g
・レモン果皮 1/2個分
・バニラエッセンス 数滴
【準備】
・グラニュー糖は60gと120gに分けておく。
・卵は常温で置き、卵黄と卵白に分けておく。
・バターは常温でやわらかくしておき、牛乳は人肌程度に温めておく。
・型の内側全体にバターを塗り、粉(分量外)をふるっておく。
【つくり方】
(1) ボウルにやわらかいバターとグラニュー糖60gをホイッパーですり混ぜ、卵黄を1個ずつ混ぜ込む。すりおろしたレモンの皮とバニラエッセンスも加え混ぜる。
(2) (1)に牛乳を少しずつ混ぜ込む(分離しないよう注意)。
(3) (2)に薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい入れ、ヘラに持ち替えて粉気がなくなるまで混ぜる。
(4) 別のボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーでメレンゲを作る。全体が泡立ってきたらグラニュー糖120gを少しずつ加え、ツヤのある固めのメレンゲに仕上げる。
(5) (3)のボウルにメレンゲをひとすくい加え、ホイッパーで良く混ぜる。なじんだら残りのメレンゲを加え、ヘラで泡をつぶさないように混ぜ込む。
(6) 生地の3分の1を新しいボウルに分け、ココアをふるい入れてヘラで混ぜる。
(7) 型に、(5)の半量、(6)、(5)の残りの順で流し入れ、最後に竹串で全体を軽く混ぜる。
(8) 170℃に余熱しておいたオーブンで50分焼き、型から外して冷ます。
週末に焼くお菓子という感じのバーボフカ。甘すぎないシンプルな味がとてもチェコらしいと思います。
今回のレシピを使って、ぜひご自宅でもチェコの気分を楽しんでみてはいかがでしょうか。
<写真・レシピ/小澤美沙季(チェコのお菓子屋ツックル) 写真・取材・文/小野アムスデン道子 取材協力/
チェコ政府観光局>