地震があるとあわてて「防災グッズ」を買いたしたくなります。「もちろんそれは大切なことですが、減災のため、また防災グッズを収納するためにも、買う前に自宅を片づけておきましょう」というのは、ライフオーガナイザーの下村志保美さんです。仕事で散らかったおうちを訪問することが多い下村さんが、片づかない家に共通するものについて教えてくれました。

1:捨てる理由がないから持っているもの

棚
ものが多い人は、ものを減らすのが減災の最初のステップに
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捨てることが苦手な方のほとんどが「持っていたいから持っているもの」と「捨てる理由がないから持っているもの」の区別がついていないように感じています。

たとえば食器棚からものが落ちてきて、壊れたりケガをしたことを想像してみてください。「仕方ない」と思えるものであれば、持っていたいから持っているものです。

逆に「なんでこれを持っていたのだろう。捨てておけばよかった」と思えるものは、捨てる理由がなかっただけのものであり、持つ理由もないものです。

地震後の片づけも、ものが多いと大変。ものが少ない方が早く片づけられますし、落ちてきてケガをしない、避難するための通路を確保できるなどメリットがたくさん。今一度、「それを持っている意味と価値」を考えてみるのがおすすめです。

2:古い買い置き、賞味期限のきれた防災グッズの食料

ストック

災害に備えて備蓄を万全にしたい! とは思うものの家族7日分の水は場所を取るし、保存水や防災食、非常食というものは割高なので家計にも厳しいですよね。賞味期限、消費期限の管理もじつは面倒で、期限ぎれのものを処分した経験がある方も多いはず。

ストック

片づいていない家には、新しくて大容量のストックを次々に買っては新しいものから使い、古いものが奥に押し込まれていたり、防災グッズを買っては中の食料品を期限ぎれにしているケースが多く見受けられます。

ですから日常使っている食品、缶詰やレトルト、乾麺、乾物を少し多めに買い置くこと、そして使いやすく整理しておくということが大切です。

お水も長期保存の保存水は最低限にして、日常生活の中で比較的安価に購入できる普通のペットボトルをローリングストック(賞味期限の古いものから消費し、消費した分を買いたすこと)。「ご飯を炊くときはペットボトルの水を使う」などのルールをつくって、暮らしの中でストックを回すのはいかがでしょうか。