日本語で学習できる教育機関の卒業式はまた違う
すべての画像を見る(全7枚)日本では、4月から新年度。一方、アメリカの小学校は8・9月に新学年を迎えますが、入学式というものはとくにありません。初日から普通に授業開始です。ちょっとさびしい気もしますが、これはこれで合理的?
ラン活や名前つけなどの負担もなく、入学準備と言えば、大型スーパーなどで、バックパックと呼ばれる通学用リュックやお弁当を入れるバッグ、水筒を買うくらい。文房具などの必要品は各家庭でお金を払って学校側がまとめ買い、各自のノートパソコンも学校からの貸し出し制でした。
シアトルには日本語で学習できる教育機関が複数あり、うちの子も通っています。そこでは、日本同様に学年が4月始まり、3月終わりのため、3月に卒業式がありました。
とても自由なアメリカの卒業式とはまったく違う日本風の卒業式。まず困るのが、服装です。「式典にふさわしい服装」で、との学校からのお願い。中学の入学式にも使えるよう、最安値のネクタイつきシャツを急きょオンラインで購入しました。成長期真っ只中ですから、着られるのはおそらくこの2回限り。安物で十分です。小学生なので、これにチノパンとスニーカーでOK!(と願う)
オンラインでネクタイつきシャツを選んでいると、どれも「この商品は返品が多い」との注意書きが出てくるのがまたおもしろい。アメリカは返品天国なので、きっと結婚式出席かなにかで購入し、終わったらすぐに返品しているのでしょうね。
さて、親はと言うと、ディスカウント・ストアでそれっぽいエレガントなカーディガンを買いました。また着る機会がありますように…。
●アメリカにいながら日本を感じられた
卒業式当日、卒業生の入場に始まり、日米の国歌が流れます。だんだん、この感覚を思い出してきました。日英両語の卒業証書の授与では、しっかり練習したらしく、子どもたちは皆、礼をするタイミングも完璧ですばらしい! アメリカと違い、カメラに向かって笑顔でポージングということはありませんが、後ろ姿だけで終わることなく、その前後には客席に向かって立つなど、シャッターチャンスは若干見られました。
そして式辞、来賓祝辞、送辞、答辞…隣に座るアメリカ人の夫が不思議そうにながめています(そもそも日本語がわからないですからね)。驚いたのは、卒業生の歌。在校生の歌はほぼ音源しか聞こえてきませんでしたが、ちゃんと練習したらしく、卒業生による、きれいにパートが分かれた合唱には圧倒されました。これぞ、日本の卒業式ですね。
子どもも保護者も、なかには着物、袴姿がちらほら。日本の制服風にチェックのミニスカートを履いた女子たちもかわいい! ピアスやカラーリングの子がいるのは、アメリカならではと言えるかも。
なんだかんだ、アメリカにいながら久しぶりに日本を感じる時間が過ごせました。4月の入学式も、わが子にとっては珍しい体験になることでしょう。そして親はまた、服装に悩むことに…(苦笑)。日本の皆さんも、すてきな春を迎えられますように!