日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「私は妻ではなく、お母さんになっちゃったんです」と振り返るのは主婦の幸恵さん(仮名・49歳)です。10年という長い交際期間を経て結ばれたものの、夫婦生活はすでに完全に破綻状態。夫に依存され続けて苦しくなってしまったという新婚時代の様子からお話していただきました。

◆前回のお話はこちら!

道ならぬ恋で15年。つくってくれたチャーハンに泣いた「納得の理由」:セックスレス・邦子さんの場合4
夫
6歳上の彼がとても大人に見えたけれど…※写真はイメージです
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初恋の人と結婚。6歳上で頼もしかった

幸恵さんは、現在49歳。建材メーカーで管理職として働いています。「夫との日々は波乱万丈すぎて、どこからお話すればいいのかわからない」と明るいテンションで激動の結婚生活を振り返ってくれました。


出会いは19歳のとき。当時幸恵さんは大学で建築の勉強をしながら、ショッピングモールの中に入っていた洋服屋さんでアルバイトをしていたのですが、隣のテナントで店長をしていたのが夫となる男性でした。

「向こうは私よりも6歳年上。優しくて自分を大事にしてくれる人だなと感じました。そのまま10年つき合って、29歳のときに結婚。すぐに赤ちゃんもできて、30歳のときに女の子が誕生しました。ただ、この妊娠中から、夫に対して違和感を覚えるようになりました」と幸恵さん。

悩みに際して、夫の幼稚さに気づいた

キャリア

大学を卒業してから、総合職で大手建設会社に就職した幸恵さん。バリバリと仕事にまい進していきたい気持ちと、結婚、妊娠、出産によってキャリアが停滞する現実に悩んでしまったそう。

「今みたいにリモートワークもなかったし、うちは業種柄、現場仕事がメインです。結婚したい、子どもが欲しいという気持ちに嘘はなかったけれど、それによって周りの男性と同様に働き続けることは難しいのもわかっていました」と幸恵さん。

「自分で選んだ道とはいえ妊娠が判明してからも、うれしい気持ちの中に焦りとか不安もあって、そういう本音を夫に話したんです。そのときに『まぁ、がんばるしかないよねぇ』って適当な返事をされて『え!?』って思いました。あのときから向いている方向に徐々にズレが生じていた気がします」

幸恵さんにとって、初めてつき合った男性が夫でした。学生だったときは、アパレルメーカーで若くして店長を任されていた夫のことがすごく頼もしい男性に思えていたけれど、自身が就職し社会に出て、妊娠や出産という大きな悩みに直面しているときの夫の頼りない反応に「あれ、私の話を真剣に聞いていた?」と思わず言い返してしまったといいます。

ゲームばかりしている夫。経済的にも寄りかかってきた

ゲーム

「このときの夫は、ゲームをしながら寝そべって『へぇ大変だね』みたいな感じ。すごい他人事ですよね。私は、産休の間も復帰してから困らないように資格試験の勉強をしていたんですけれど、夫はいつもゲームばかり。家事も100%私に丸投げ。それは長女が生まれてからも変わらず、育児の場面でもほぼ戦力になりませんでした」と幸恵さん。

実際、お金の部分でも夫の年収は幸恵さんの半分もなかったそう。幸恵さん自身、産休・育休が長引くと家計への影響が大きかったこともあり、早めの復帰を希望せざるを得なかったといいます。

「産後は娘があまり寝てくれない子だったので、いつも睡眠不足でフラフラでした。そういうときに体を気遣ってくれるわけでもなく、家事や育児を変わってくれるわけでもなく、一応『おつかれ~』って挨拶みたいに声をかけてきて、自分の部屋にこもってゲームをしているんです。それで『僕のごはんは?』とか言われたら、イラっとするし、レスにもなるし。もうこのあたりから、私、この人にすごい寄りかかられてるな、依存されてるなって感じてしまって…。存在自体が重かったです」