豆は低脂肪・高タンパクで、ビタミンやミネラル、食物繊維などの不足しがちな栄養素もチャージできる優秀な食材ってご存じですか? 豆の魅力をご紹介する連載の2回目は、テレビや雑誌で大活躍の人気料理家・ワタナベマキさんに、豆を気軽に日々の食卓に取り入れる活用術と、ハレの日にうれしいレシピ2品を教えてもらいました。
さまざまな料理で使いまわせる豆は魅力的な食材。ワタナベマキさんもぞっこん
「とにかく豆は私にとって身近な食材。おいしさはもちろん栄養価も高いので、週に2~3回は豆料理をつくります」というワタナベマキさん。時間があるときに乾燥豆をまとめてゆでて保存しておくのが習慣になっているそう。
「ゆでた豆があると安心するんです。ゆでたてを塩とオリーブオイルだけでシンプルに食べるのも大好きだし、保存しておけば和風にも洋風にも、サラダや汁物、煮込み料理などにすぐ使えます」
●小さな1粒に栄養がぎっしりつまった豆は、天然のサプリメント!
そんな豆は、栄養面における魅力がたっぷりです。
・低脂肪・高タンパクでダイエットにもおすすめ
脂肪のとりすぎは、肥満や生活習慣病を招く原因になりますが、豆は脂肪が極めて少ない、低脂肪・高タンパク食材。また、糖質や脂肪の代謝をアップするビタミンB群も豊富なので、きれいになるにはうってつけです。
・サツマイモよりはるかに多い食物繊維!
豆は不足しがちな食物繊維を多く含む食品の代表的存在。しかも水溶性と不溶性の両方が含まれているので、腸内環境を整え、おなかすっきりにも役立ちます。
・カルシウム、鉄などミネラルの宝庫
カルシウムが不足すると骨粗鬆症、鉄が不足すると貧血が起こることがあります。豆はこれらをはじめ、カリウム、マグネシウム、亜鉛、リンなどさまざまなミネラルがバランスよく含まれています。
・生活習慣病対策に役立つポリフェノールもたっぷり
豆には、強い抗酸化作用をもち、老化 や生活習慣病の原因となる活性酸素を抑制する働きがある、ポリフェノールも豊富。小豆や金時豆など赤い豆は、とくにその作用が強いとされています。
ワタナベマキさん考案!食卓が華やかになるおもてなしレシピ2品
年末年始のイベントやおもてなしに役立つ、華やかな豆レシピ2品をワタナベマキさんに教えてもらいました。
●金時豆とサーモンのキッシュ
金時豆のホクホク感で、食べごたえのあるキッシュです。サーモンのキリッとした塩気と、チーズや卵のコク、タマネギの甘味が相まって、ワインにぴったりですよ。
★使う豆はコレ!
<金時豆>
いんげん豆の一種で、代表的な品種は「大正金時」。粒の形も食味もよく、煮豆や洋風の煮込み料理などによく合う。
【材料(4人分・直径18cmのタルト型1台分)】
- 金時豆(ゆでたもの) 170g(乾燥豆で約80g)
- スモークサーモン 70g
- A[薄力粉(冷やす)100g 無塩バター(5mm角に切る)50g 塩小さじ1/3]
- 卵黄 1個分
- 全卵 1個
- 生クリーム 100ml
- ナツメグ(あれば) 少し
- オリーブオイル 小さじ2
- タマネギ(薄切り) 1/3個分(70g)
- 塩、コショウ 各少し
- グリュイエールチーズ(またはピザ用チーズ) 70g
- パセリ(みじん切り)
【つくり方】
(1) フードプロセッサーに、Aを入れ、サラサラになるまでかくはんする(プロセッサーがない場合はカードなどで切りながらまんべんなく混ぜる)。
(2) 卵黄に水20ml(分量外)を加えて混ぜ、(1)に加えて生地がまとまるまでさらにかくはんする。取り出してラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませる。
(3) 麺棒で(2)をたたいて軽くのばしてから、打ち粉(薄力粉適量・分量外)をふりながら、型よりひとまわり大きい円形にのばす。型の上にのせる。型を回しながら、底や角にすき間がないように軽くおさえて生地を型に押しつける。型の上で麺棒を転がして端の余分な生地を落とし、冷蔵庫で約30分休ませる。
(4) 底面にフォークで均一に穴をあけ、オーブンペーパーを敷いてからパイストーンをのせる。180℃に予熱したオーブンで約20分、縁に薄く焼き色がつくまで焼く。
(5) ボウルに全卵を溶きほぐし、生クリームを少しずつ加えながら混ぜる。ザルでこし、ナツメグを加えて混ぜる。
(6) フライパンにオリーブオイルを熱し、タマネギを入れて中火でタマネギが薄く色づくまで炒める。塩、コショウ各少しをふり、取り出して粗熱をとる。
(7) (4)のタルト生地に(6)のタマネギを入れ、食べやすい大きさに切ったスモークサーモン、金時豆、チーズの半量の順にのせ、(5)を流し入れる。残りのチーズを散らす。
(8) 180℃に予熱したオーブンで、焼き色がつくまで約25分焼く。パセリ、コショウ(分量外)をふる。
★ポイント
金時豆も他の具材も、全体にまんべんなくいきわたるよう、層をつくるようにまんべんなく散らして。
●ひよこ豆と豚肉のワイン煮込み
豚肉のうま味やプルーンの甘味が、ひよこ豆にしみこみます。煮込み時間は長めですが、ほうっておけばいいから意外と簡単。ほろっととろけるような豚肉がごちそう!
★使う豆はコレ!
<ひよこ豆>
西アジア原産の豆で、ホクホクした栗のような食感が特長。カレーやシチュー、サラダ、スープなどに幅広く使えます。
【材料(4人分)】
- ひよこ豆(ゆでたもの) 170g(乾燥豆で約80g)
- 豚肩ロースかたまり肉 400g
- 塩 小さじ1
- タマネギ 1個
- オリーブオイル 小さじ2
- ニンニク(つぶす) 1片
- A[ドライプルーン100g トマトペースト20g 赤ワイン200ml ローリエ2枚 水400ml]
- 粗びきコショウ(黒) 少し
【つくり方】
(1) 豚肉は塩をすり込む。タマネギは8等分のくし形切りにする。
(2) 鍋にオリーブオイルを熱し、(1)の豚肉を入れて転がしながら中火で焼く。全体に焼き色がついたらニンニクを加えて炒め、香りが立ったら(1)のタマネギを加えてサッと炒める。
(3) Aを加え、煮立ったらアクを除く。フタをしてごく弱火にし、約30分煮る。
(4) ひよこ豆を加え、さらに約30分煮る。塩少し(分量外)、コショウで味をととのえ、豚肉を食べやすい大きさに切り、器に盛る。
☆ポイント
煮すぎてくずれないように、ひよこ豆は他の具材をある程度煮てから加えて。ホクホクのちょうどいい食感になります。
●レシピで使った豆を50名にプレゼント!
「50名の方に乾燥豆セット(※金時豆、ひよこ豆)をプレゼントします。
応募締め切りは2024年1月15日(月)まで。
問い合わせ先/日本豆類協会 ☎03-6268-8627 https://www.mame.or.jp/