「家庭料理だもの、しかたない…」とあきらめていた炒め物の水っぽさも、肉料理のパサつきも、煮込み料理のもの足りなさも、加えるだけでぜんぶ解決! そんな魔法のような調味料があるのをご存じですか? なんと「料理酒」と「油」を混ぜるだけ。たったそれだけなのに、お店と同じ「シャキッ」「パラパラ」「しみしみ~」な一品が、いとも簡単に実現してしまうのです。

ある意味、最強の調味料を生み出したのは、料理芸人・クック井上。さん。著書『魔法の万能調味料 料理酒オイル』(ダイヤモンド社刊)より、「料理酒オイル」について教えてもらいました。

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料理酒は安いのにスゴイ!プロの味になる「魔法の調味料」

クック井上。さん
クック井上。さん 出典:「魔法の万能調味料 料理酒オイル」(ダイヤモンド社刊)
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――知るほどにそのスゴさを実感できる「料理酒オイル」ですが、どんな経緯で発見されたのですか?
クック井上。さん:僕は子どもの頃から、お店のカウンターに座って料理人さんが働く姿を見るのが大好きでした。大人になってからは、その町で長年愛されているような「町中華」「洋食屋」「赤提灯(ひなびた居酒屋)」を巡るのが好きになり、料理人さんが調理姿をウオッチするという趣味が加速したんです。
これらの店で、だれもがホッとするような定番料理を食べるたびに、「家でつくる料理との違いはどこにあるんだろう?」と感じるようになりました。そして気づいたのが、プロの料理人さんは、「酒と油を効果的に使っている」ということ。酒と油をほぼ同時に入れ、フライパンや鍋をあおったり揺すったりして酒と油をけんかさせ、その湯気や細かい油で食材を調理していたんです。
自宅キッチンはプロと同じ環境にはならないし、そこまでの腕もない。ならば、プロが火の上でやることを、あらかじめやっておいたらどうかと思いつきました。つまり、酒と油を先に食材に仕込んでおくわけですね。家で再現してみたら、にらんだとおり! しかも、飲む清酒より塩気やうまみ成分が入った料理酒のほうがうまくいくこともわかりました。料理酒は安いのにスゴイんですよ。清酒の代わりにしかたなく使う…というイメージをもつ方も多いようですが、とんでもない! 料理酒には、料理酒だからこそ出せるおいしさと魅力がしっかり備わっているんですよ。
最初は料理酒と油を別々に入れていたのですが、そのうち、「乳化させてから」が大切だとわかってきた。それで、ボトルに入れて振って混ぜてから使うことにしたんです。酒4:油1という比率も、何度も試すうちにわかってきた感じですね。しかもきっちり量らなくても、だいたい4:1であれば大丈夫です

●簡単!「料理酒オイル」のつくり方

料理酒オイル
出典:「魔法の万能調味料 料理酒オイル」(ダイヤモンド社刊)

【材料】

  • 料理酒 200ml
  • サラダ油 50ml

【つくり方】

(1) 清潔な保存容器を用意する。

(2) 料理酒200mlとサラダ油50mlを入れる(料理酒4:油1)。

使う際は、中身が白っぽくなるまで容器を振って、よく混ぜてください

「料理酒」には、米こうじに加え、塩分や糖類などが最初から入っているのがポイント。料理の味を損なうことなく、塩や糖の力で食材をやわらかでジューシーにしてくれます

冷蔵庫で保存すると安心です