●医療費控除って、どれくらい戻るの?
医療費控除の計算方法は以下の図のようになります。
すべての画像を見る(全3枚)この計算式から求められる控除額に、所得税率をかけるといくらくらい還付されるか、目安が算出できます。
たとえば、課税所得が195万円未満で医療費控除額が20万円なら、「20万円×所得税率5%」で最大1万円戻ってきます。
●医療費控除になるもの、ならないものは?
控除対象になるもの
- ・治療を目的に支払った医療費
・治療が必要な重大な病気が見つかったときの健康診断や人間ドック費
・入院時の治療費や検査費用
・新型コロナウイルスの陽性が判明したときの自費抗原検査・PCR検査費用 など
控除対象にならないもの
- ・病気の治療を目的としない医療費
・予防のための健康診断や人間ドック、メタボ健診の費用 - ・入院時の自己都合による差額ベッド代
・インフルエンザなどの予防接種費用
・新型コロナウイルスの陰性証明のための自費抗原検査・PCR検査費用 など
医療にはさまざまな種類がありますが、医療費控除の対象になる医療費は決まっています。
基本的には、治療のために支払った分は控除の対象になりますが、病気の予防、健康増進、美容関連の医療費は控除の対象にはなりません。入院したときにかかる自己都合による差額ベッド代も対象外です。
健康診断や人間ドックの費用は、検査で病気が見つかった場合は控除の対象になります。
このように、さまざまな「医療」に関する費用が控除対象になる「医療費控除」のほかに、社会保険料控除や寄付金控除などさまざまな控除がある確定申告。『知らないと損をする! 年金生活者・定年退職者のためのかんたん確定申告 令和6年3月15日締切分』(扶桑社刊)では、申告書の記入方法から医療費控除用の領収書ポケットなどが付録としてついています。