「私にとって、“ケチ”とはお金を節約するのはもちろんですが、毎日を楽しくするためのものだと思っています」と話す、タレントの松本明子さん。松本さんが普段から実践している、約100個の節約術をまとめた著書『この道40年あるもので工夫する松本流ケチ道生活』(アスコム刊)より、食器洗いにまつわる「ケチ活」を抜粋して紹介します。
出がらしのティーバッグが油汚れの救世主
私にとって“ケチ活”は、当たり前のように日常に取り込まれています。
たとえば朝、わが家は私だけコーヒー党なんですが、お義母さんと夫、今はひとり暮らしをしている息子も紅茶党なんです。結婚してすぐの頃は「一緒にコーヒー飲めばいいのに」なんて思ったりしていましたが、今では“それぞれ好きなものを飲んで朝が始まるのもいいな”なんて考えたりしています。私のコーヒーはインスタントで夫たちの紅茶はティーバッグと、手間がかからないのも許せる理由かもしれないです。
●「もったいない、何かに使えないか」から生まれた発想
すべての画像を見る(全2枚)ところでこの紅茶のティーバッグ、みなさんはお茶を入れたあとどうしていますか? 私はあるときから、「このまま捨てるのはもったいない。何かに使えないか」と考えるようになりました。ティーバッグの“第2の人生”を見つけてあげたいという気持ちになったんです。
コーヒーは“脱臭効果があるので出がらしを乾燥させて、靴箱など臭いが気になるところに入れるといい”なんて話を聞きますが、「じゃあ、紅茶はどうなんだろう?」と。そこでいろいろ調べていくと、どうも紅茶はアルカリ性ということがわかりました。アルカリ性は油のような酸性の汚れに強いため、油汚れをきれいにするのにピッタリとのこと。これは使える! と思いすぐ飛びつきました。
まず、その日の夕飯の片づけのとき、油汚れのついたフライパンをいつものように洗剤たっぷりのスポンジでゴシゴシ洗うのをやめ、朝、夫が飲んだあとのティーバッグを少し水に濡らして油汚れの部分にこすりつけてみました。そうしたら意外や意外、油汚れが取れていくんですよ。
これにはびっくり! もちろんすべてきれいに取れるというわけではないですが、ヌルつきもなくなり軽く汚れは落ちている状態。しかも水もほとんど使わなくてOK。なんて最高なんでしょう!! あとはいつも通り洗剤をつけたスポンジで他のお皿などと一緒に洗えばもうピカピカです。
●飲み終わったティーバックを入れておく容器も再利用したものです
スポンジの買い替えを先延ばしにできるのと、1回に使う洗剤と水の量が節約できる。それも捨てるはずだったものなのに…。LOVEティーバッグですよ。
調べてみたところ、脱臭効果もあるみたいなので魚焼きグリルの油汚れにも最適らしいです。油でベトベトになったあとの掃除が大変だったので、すごくうれしい情報でした。気をつけることとしては、ティーバッグによっては強くこすると破れやすいようなので、あまり力を入れないことぐらいです。その手軽さも魅力的なんですよ。私の大好きな“ムリをしなくていい!”ですから。
これを知ってからは、ティーバッグを使ってくれるのがひそかな楽しみに。夫が撮影で家にいないときは「お義母さんの分しかたまらない…」と残念に思ってしまうほど、ティーバッグに恋する日々が始まってしまいました。
わが家では、飲み終わったティーバッグは菌が繁殖しないように軽く乾かしてからお決まりのケースに入れて台所の目につくところに置いています。元はなにかが入っていた透明の入れものを再利用していますが、これに入れているとそれなりのインテリアになるから不思議(笑)。まさか出がらしが詰まっているなんて思いもしないはず。
見た目も実力も兼ね備えた紅茶のティーバッグの“第2の人生”。その姿は本当に頼もしいです。