年齢を重ねるうちに、後悔したり自分を責め続けることはありませんか。カウンセラー・エッセイストとして活躍する若松美穂 さんに、自分の心を守るためにできることについて聞きました。

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「50代になってやめたこと」という記事を書こうとしてふと手が止まりました。あれもこれも、簡単にやめると言いきってしまうのもどうか…と思う部分があるのです。
カウンセラーを仕事とする私の感覚としては、人によっていい悪いは異なるのだから、やめてもいいし、やめなくてもいい。

ただ、やめた方がラクだったり、やらない方がラクなことは、積極的に採用したいと思っています。自由選択制ですね。ですから、下記はあくまでも、私自身に限ったことです。

 

●1:「人がどう思うのか」気にするのをやめる

落ち込み
人の目を気にしすぎると自分にダメージが…※写真はイメージです(以下同様)
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今まで読者モデルや執筆、カウンセラーのお仕事をしてきて感じることのひとつは、「周囲の人は、思うように思う」ということです。

私は暮らしの中で「人の目を気にする必要はまったくない」と言いきることができるほど気持ちが強くはありません。けれど、こちらが思っていないこと、考えていないことまでも、思う人は思う。考える人は考える。それに振り回される必要もないのかなと。

真意がきちんと伝わったらうれしいけれど、伝わらなくても「私はこう思っています」「こう考えています」以上、でいいと思うのです。分かってもらうまで説明する必要もないですし、分かってもらえないからといって傷つく必要もない。

どちらにしても「どう努力をしても、わかってはもらえない場合がある」を前提に、自分が、どのような気持ちや考えで行動するのかを大切にしたい。それを分かってもらえなくても、自分自身が分かっていることが大切かなと思います。

 

●2:「たったひとつの正解」を求めるのをやめる

祖母

なにかをしようとするとき、どうしても正解を求めてしまうことあります。でも正解はひとつではないですし、人それぞれに異なる正解があります。そのときの正解が、のちのちまで続く正解だともいえません。だから、正解は「ない」とも言えます。

ひとつの例として、母方の祖母は、ある病気で何度か倒れて病院に運ばれました。もう20年以上前の話になります。手術をしましたが、それを機に別の病気になってしまいました。もちろん年齢的なことやほかの理由もあるかと思いますので、ひとつのきっかけだと認識しています。

それからの約10年くらい重い病気を抱えながら暮らしたのですが、家族は疲弊し、献身的に介護をした父は、8kgほど体重を落とした時期があります。

のちのち母は「手術さえしなければ」と言っていました。でもどうでしょう。手術をしないことが正解だったのでしょうか。もし万一のことがあれば、親類の中には手術をしない両親を責めた人もいたかもしれないですし、なにより両親自身もああすればこうすればと、別な後悔が生まれるように感じるのです。