社会人~結婚後:東京を離れ、神奈川の海沿いの町に

その後、社会人になり何回か引っ越しを経験するも、実家の近くに暮らし続けた飛田さん。生活するのに精いっぱいで、家を快適にしたいという気持ちを、持つ余裕はなかったと言います。

「当時はバブルで、遊んでばかり。家にはほとんどいなかったし、帰ってきて寝るだけの場所。全然窓もあけていなかったし。今思うとひどい環境でしたね(笑)」

 

娘を抱く飛田さん
2年がかりで見つけた海辺の家で。こちらは当時、撮影スタッフを見送るときに撮ってもらったもの
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そもそも、家にこだわりがなかったと話す飛田さん。しかし、料理家として忙しくなり始めてから、「撮影でカメラマンや編集の方が自宅にいらっしゃるから、もう少しリビングダイニングが広い方がいいな」と思い始めたそうです。

結婚後に引っ越した2軒目の家は、キッチンに窓があり開放感があったことが、借りる決め手に。

 

ソファと子ども
ソファの前でチャイルドシートにちょこんと座る幼かった頃の長女

その後、東京を離れて自然豊かな環境で暮らしたいと、神奈川県の海沿いの町での家探しがスタートします。「海の近くというのは私の希望です。長野の両親の家に行けば山はあるから、私は海がいいと思って」。

都内から神奈川へ何度も通ううちに、現在住んでいるエリアが夫婦にとってベストな場所だとわかり、地元の不動産会社に探してもらうことに。

 

階段
階段は子どもが座るのにちょうどいい高さで、格好の遊びスペースになっていました

結果、2年かけて見つけた物件は、キッチンに窓がある賃貸の一戸建て。「キッチンは個室になっていましたが、大きな窓があって。料理をしながら、外の緑が見えるのが気持ちよかったですね」。

 

収納棚
家具つき物件だったため、収納棚などはそのまま利用。上段には本やCDデッキ、下段にはオモチャを収納していました

リビングダイニングも広い間取り。家全体が明るく、富士山が正面に見えて、見晴らしも最高でした。その家に満足していたので引っ越す気はまったくなかったという飛田さん。地元の人々と交流するうちに、とある家族と知り合い、家を行き来する仲に。

「そのご家族から『引っ越したいから、この家を買わない?』って」。外観や室内の装飾はもちろん、正面には大島、右手に伊豆半島、左手に三浦半島を望めて、電線などの視界をさえぎるものが一切なく、海が眺められるその家が気に入り、「タイミングかなって思って、じゃ、買いますって話になったんですよね」。