親しみやすく、なおかつ体に優しいレシピがSNSを中心に大好評の料理家・長谷川あかりさん。最新刊『つくりたくなる日々レシピ』(扶桑社)も、簡単においしい料理ができると、話題になっています。

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長谷川あかりさん
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そこで今回は、長谷川さんにインタビュー。レシピ本に込められた思いや、家庭料理についての素朴な疑問にも答えてくれました!

●「これならできるかも…」と思ってもらえるレシピ本に

――最新刊『つくりたくなる日々レシピ』には、酒蒸しハンバーグ、和洋折衷鶏ごぼうなど、手軽にできる絶品レシピが多数掲載されていますが、この本にはどんな思いを込めていますか?

長谷川あかりさん(以下、長谷川):1冊目の『いたわりごはん』(KADOKAWA刊)では、つくるとほっとしたり、自己肯定感があがるなど“料理でご自愛”がテーマにありました。今作では、料理をつくるのが面倒くさいな、と思ったときに「こんな料理ならつくりたいし、つくれそう!」という、あと押しになるようなレシピを紹介しています。

――毎日の料理が当たり前となってしまうと、その義務感や辛さから、やる気をなくしがちな人も少なくないですよね…。

長谷川:そういうときは割りきって、ファストフードやお総菜に頼るのも手だと思うんですよね。「自分に余裕ができた。助かったー!」とポジティブになれるのに勝るものはないです。料理が大好きな私ですら、日々の中で「つくりたい自分」と、「つくりたくない自分」、そして、「出来合いのお総菜ですませてしまって、モヤモヤしてしまう自分」がいます(笑)。

気持ちと、食べたいものにズレが生じる瞬間って、だれにでもあると思うんです。そのズレを、少しだけ微調整できるような、そんな1冊になればいいなと考えながら本をつくりました。

●レシピのイメージがどんどん膨らんでくる

――長谷川さんのレシピには、フライパンひとつでできる軽い煮込み料理、忙しくて夜遅くなってしまったときでもさっとつくれる汁そばやおかゆなど、ライフスタイルに密着したものが多数あります。レシピはなにをヒントに生まれるのでしょうか?

長谷川さん

長谷川:料理自体を考えるのは趣味みたいなもので、暇さえあれば、ずーっと妄想しているんです。私は厚揚げにポン酢をかけて焼くのが好きなんですが、それならばポン酢で厚揚げを炊き込んでみたら一品できるんじゃない? とか。炊き込みご飯にするならもう少しパンチを効かせたいからニンニクも足そう…と、イメージを膨らませるのが楽しくて止まらないんです。

料理の名前を考えるのも楽しいですね。そこまでは料理家になる前から続いている大好きな趣味。それをレシピという文字に起こしていくのは、ちょっぴりお仕事っぽい部分になります(笑)。あとはスーパーにいるときにも、新しい料理へのヒントをもらえることが多いですね。

たとえばワカメを見て、「ワカメしか家にないときってあるけれど、野菜みたいに使えないのかな?」というところから、ワカメを肉と一緒に炒めておいしく食べる方法を考えていったりします。