●60代は目立つ、70代はとんがる

もう一度、前を向けるようになったとき、これからの人生をもっと楽しく生きていくにはどうすればいいのかと考えました。そして、それには、やっぱり服の力を借りるのがいちばんだと気がついたのです。

30~40代でコーディネートの基礎を学び、50代のときは個性的なデザインの服を着ていたこともありました。ベーシックな服からアーティスティックな服まで一通り経験したので、だったら60代からは自分が好きな服だけを自由に着ていこうと決めました。バラエティ番組のスタイリングに携わり、「派手な服なら、西ゆり子」と言われたときの感覚を思い出し、「目立って、なんぼ」の服を着ることを存分に楽しんでいこうって。

そして、70代からはさらにとんがる! 夫を亡くして1人になった私の心の奥から、

「一度きりの人生。やらずに悔やむより、やりたいことはどんどんやっちゃえ!」

という声が聞こえてきました。この年齢になったら、どんな服を着ようと周囲は大目に見てくれます。花柄のワンピースだろうが、ヒラヒラのフリルがついたブラウスだろうが、裸で道を歩かない限り、他人に迷惑をかけることもないですからね。

女性
青いドット柄のシャツは襟元には赤い花柄が。柄×柄? なんて視線は気にしません! 私にとっては最高にかわいい一着
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好きな服を着ることは自分自身を表現することだと思います。この先もますますとんがって、これからの私がどんなふうに変わっていくのか楽しみでなりません。新しい服に袖を通すたびに未知の自分に出会える――そんな希望が胸いっぱいに膨らんでいます。

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