●気兼ねしすぎず、率直に気持ちを伝えるだけでOK

ひとりの時間を楽しむ女性
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前出の質問、私なら、「今週はひとりでゆっくりするわ」と率直に言います。友はきっと、私の友情や愛情を疑わず、「たしかにそうよね、人間、ひとりの時間も大事よ」と思ってくれると信じてるからです。まぁたぶん、そうでない人もいたのだろうけど、そういう人とは疎遠になって、結果、わかってくれる友人しか残っておらず、だから、ますます素直に言える…という好循環なのかもしれません。

というわけで、率直に気持ちを伝える、というのが、第一のアドバイス。

ただし、その場合の「率直」ですが、「毎週、当たり前のようにうちに来ようとする態度にドン引き」という気持ちを伝えるのではありません。ドン引きの理由は、「たまにはひとりでいたいのに」なのでしょう? そちらを伝えましょう。

多くの人が、率直に気持ちを伝えたらいい、というと、「いやな思い」を伝えると思いがちですが、そうなってしまった「本当はこうしたかったのに」の方を伝えるのである。いやな思いは、この際、隠蔽すべき。だって、いやな思いは、友が悪いわけじゃない。自分が、適正な距離の取り方を、相手に伝えられなかったのが原因なのですから。

2人の人間の「会いたい気持ち」の強さが、常に同じというわけはありません。長い付き合いのなかでは、「会いたい気持ち」は忙しさや疲労にかき消されるときもあり、ときには、どちらかが強くて、どちらかが弱いというのが当たり前。そんなとき、互いに「今週は会わない」を率直に伝え合える友でありたい、と私は思います。

●「夢中になれるなにか」を理由に、距離を置いてもいい

とはいえ、そんな素っ気ないことできないわ、という女心もわかります。

友の「会いたい」に応えるのが友情、というのが、多くの女性たちの友情の定義。だからこそ、子育てや夫、ときには姑も使って、断ってきたのです。「会いたい気持ちは山々だけど、夫が出張から戻ってくる日だから」みたいに。

60過ぎると、その理由がなくなるから、途方に暮れるわけです。

というわけで、断る理由をつくればいいのです。私は、「夢中になれるなにか」をもつことを、熱烈おススメします。

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