老後の暮らしを考えて平屋を建てたのに、「こんなはずじゃなかったと」と後悔している事例を紹介します。住まい手は、寝室を一緒にするか個室にするかで悩んだあげく、広い部屋を折れ戸で仕切ることに。でも、お互いの生活音がストレスなり、部屋を移るハメになりました。どうすればよかったのか? 一級建築士によるアドバイスも参考に。

折れ戸の失敗談
お互いの時間を楽しむはずの間取りが、音がダダ漏れで台無し!
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夫婦ふたりで暮らす家は、互いの時間も大切に

平屋
写真はイメージです

娘たちが独立し、ふたり暮らしになったYさん夫妻。これを機に、築約30年のわが家を見直すことにしたそうです。

「2階建てなので、夫婦で暮らすには部屋数が多く、将来的に階段の移動が負担かも」(夫妻)と、平屋に建て替えることに。

間取りでとくに悩んだのは寝室でした。今までどおりにひと部屋とするか、互いに個室をつくるかどうか。考えた末、広い寝室の中央に折れ戸をつけて、2室に間仕切れるようにしました。

理想の住まいのはずが思いもよらぬ落とし穴が!

ベッド
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折れ戸をあければ、それまで住んでいた家と同様、ふたりで仲よく過ごせる寝室。閉じれば個室感覚に。テレビやネットの配線も夫側と妻側に設置し、リビングで過ごすような快適さに整えました。

住んでしばらくすると個室感覚にも慣れて、夫はテレビのボリュームが大きくするように。妻は時間を気にせず、ついつい携帯で長電話を。部屋を仕切っているものの、折れ戸なので音はダダ漏れ。互いにストレスがたまり、結局、妻は娘たちの里帰り用につくった予備室へ移ることになりました。

「間取りの変化で、暮らし方がこんなに変わるなんて驚きました。音に気をつかいながら暮らすなんて、建て替えた意味がありませんよね」と妻。

音漏れ問題を回避した今は、予備室に収納がないことに不満が。幸い、寝室のウォークインクローゼットが予備室と隣接しているので、壁を一部なくして、予備室側からも使えるようにするのだそう。「工事でまたお金が出ていく!」と意気消沈です。