●子ども成長にはうれしい反面寂しさも…

――夫の変化や、お子さんの成長を目の当たりするのはありがたいですね。しかし、お子さんが大人になってしまって、寂しいと思うことはありませんか?

君島十和子さん
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君島:うちは長女が16歳のときに宝塚音楽学校に入学し、本籍地を兵庫県に移したので、一度「巣立ち」を経験しました。その当時は、望んでそういう状態になったのに、やっぱりあとから、どっと寂しさが湧いてきた…というのはありましたね。

手がかかる人が1人いなくなったのでラクにはなるんですけどね。ただ、ご飯をなんとなく流れで4人分つくってしまって1人前余っているとか、そういうことが寂しさに変わってしまったりはしました。お仕事をしていないお母さんだったりすると、その思いにずっと引っ張られてしまうような方がたくさんいらっしゃるのもわかります。

――君島さんの場合は仕事のおかげで気が紛れていたのかな、とも思うのですが、いかがでしょうか?

君島:今振り返ってみると、そうでもなかったみたいで…じつは、娘が欲しいって言ったわけでもないんですけれど、自分の気持ちが収まらなかったのか、毎週ぬいぐるみを送っていたんです。でも、寮の引っ越しがあったタイミングで、ダンボールに5箱ぐらいのぬいぐるみが送り返されてきまして(笑)。

当時、私自身はそんなに送っていたっていう自覚はないんです! でも振り返ってみると、そこで自分の精神を保っていたんだと思う。愛情というか、つながりみたいなものを送っているような、安心感とか、なにか買わなきゃいけないって思ってたのかな?

娘からは1回も「ぬいぐるみを送って」なんて言われたことないのに。きっと寂しいだろう、きっとこれを見て喜ぶだろう、っていう風に思って、一緒にいられない距離を埋めていたんですよね。でも、送り返されてきたときには、自分でもゾッとしました(笑)。

――君島さんでも、子どもの巣立ちにはパニックになってしまうんですね。意外ですが、身近に感じます。

君島:ある有名インスタグラマーの方が本を買ってくださったのですが、「もう子育てとお仕事の両立のところで泣いてます」ってDMをくださいました。「え、あなたが?」っていうくらい、仕事と家庭を両立してキラキラな生活をしてるように見える方でも、そういうところはじつは一緒なんだな、って感じました。

それとは逆に、専業主婦のお母さんは専業主婦のお母さんで、やっぱり社会とつながっていないとか、なんとなくどこか犠牲になっているような思いを抱えているのだろうと感じますし、それぞれ悩みながら生活していますよね。

この本でも、私のきれいごとばっかりを並べて、それをお伝えしたいのではなくて、自分の失敗とか痛い思いや、こうやって切り抜けたよとか、こうするとまだラクだったよ、ということをお伝えしたいんです。だから各世代で、似たようなことに直面していらっしゃる方に読んでいただけたら、と思っています。

6月12日公開予定の、記事中編では君島十和子さんの美容についてたっぷりお話を伺いました。いつまでも変わらない美しさの“君島メソッド”は必見です!

アラ還十和子

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