都市の狭小地では不可能に思える暮らしが楽しめる、3階建ての注文住宅事例です。室内は明るく、しかも、戸外にいるかのような開放感が。月や星を眺めながら入浴もできます。3層を貫く階段空間には天窓あって、空の下で上り下りをしているような気分に。59㎡の敷地に、驚きの空間が広がっています。

3階の渡り廊下
天窓からふんだんに日光が降り注ぐ、3階の渡り廊下。まるで空と暮らしているよう!
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カーブした壁と天窓が斬新な3階建て住宅

Yさんの家 東京都 家族構成/夫40代 妻30代 長女4歳 長男2歳
設計/n o t architects studio

玄関

周辺は密に住宅が建ち並ぶ地域。玄関に入ると、3階分の吹き抜けを通して天窓の青空が見えます。井戸の底から地上を見上げるような不思議な感覚。住宅離れしたその光景に、訪れる人は思わず歓声を上げてしまうそうです。

Yさん夫妻が双方の勤め先へのアクセスを考えて選んだ敷地は、59㎡と狭小。小さな土地でも家族4人が快適に暮らす家を建てるために、建築家に設計を依頼しました。

ぶつけた要望は、「明るい室内」「外を感じるテラスのような場所」「月や星を眺められる浴室」と、立て込んだ都市の狭小地では、現実的ではないとも受け取られかねないもの。

設計担当の小野里紗さんの提案は、天窓をいただく3層吹き抜けの階段空間と居住空間の2つのゾーンに分けるという、予想を超えたものでした。階段空間は天窓から外光を採り入れるとともに、外のような開放的な雰囲気を持たせています。

 

LDK

2つのゾーンを隔てる壁は、湾曲する階段に沿ってカーブを描きます。

「階段側の壁面をシルバーに塗装することで、屋外の光や樹木の影、天候の変化などの移ろいを映し出そうと考えました」と小野さん。室内に自然を感じさせる眺めが生まれ、移動とともに移り変わるので見飽きません。

「天窓にたまる雨水や月の明るさなど、今まで感じたことがなかった美しさに、家にいながらにして触れることができます」と妻。浴室や天窓から月の動きを眺めては、非日常的な感覚でリフレッシュしているそうです。

【動画】カーブする階段のデザインは必見!