――落ち着かせる時間が大事とは、目からウロコでした。では、これから「蒸し物をはじめたい!」という人におすすめを教えてください。
ウー:まずは、野菜ですね。ニンジンだってタマネギだって、信じられないくらい甘くなるんですから! ジャガイモやカボチャはホクホク、本当にびっくりしますよ。あとは、お肉を蒸すのもおすすめです。お肉の場合は、あらかじめ塩をもみ込んで中まで味を染み込ませてから蒸した方がおいしいですね。わが家でよく蒸すのは、鶏胸肉や鶏ササミ、豚肩ロースの塊など。どれも蒸し上がりはやわらかで、とにかくジューシーになります。
そうそう、豆腐も蒸すとすごくおいしいんですよ。私は夏でも冷ややっこではなく、蒸し豆腐を食べるんです。大豆製品は香りが命だから、温かい方が絶対おいしい。特にざる豆腐を蒸すのが最高! 中国ではざる豆腐はないので、日本にきてから知りました。今では蒸したざる豆腐が私の大好物です。
●日常的にせいろを使って楽しんでほしい
――ウーさんのお話を聞いていると、無性にせいろがほしくなってきます。最後に、せいろとの上手なつき合い方を教えてください。
ウー:料理に慣れていない人、料理が苦手な人こそ、せいろ1つでつくれる蒸しおかずをつくってみてほしいですね。せいろは蒸し上がりをそのまま食卓に出せて、温かいまま食べられる便利な道具。それに、使えば使うほど蒸気を吸収し、さらに熱で殺菌されて丈夫になるんですよ。1回使ったきり、その後3年使わないなんてもったいない! しまい込まずにいつも出しっぱなしにして、日常的に蒸しおかずを楽しんでみてくださいね。
『ウー・ウェンの蒸しおかず』(扶桑社刊)は、シンプルに素材を蒸したものから、シューマイ、蒸し鶏、蒸しハンバーグまで、多数のレシピを掲載。毎日のご飯づくりに役立つこと間違いなしの一冊です。