国によって子育ても教育もさまざま。日本とはどう違うのでしょうか? ここでは、フランスと日本のテーブルマナー教育の違いについて、フランス生活文化研究・翻訳者のペレ信子さんが教えてくれました。

フランスと日本でこんなに違う「親子関係」。18歳になった子どもが巣立つ理由

国によって子育ても親子関係もさまざま。日本とはどう違うのでしょうか? ここでは、フランスと日本の親子関係の違いについ…

テーブルセッティングも家庭で学びます
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フランス料理とテーブルマナー。本場フランスの子どもたちはどんなしつけを受けている?

「おフランス」と揶揄されることもある、気取ったイメージのあるフランス。それにはフランス料理のもつ華やかなイメージも反映されているのではないでしょうか?
そんなフランスの子どもたちはどんなテーブルマナーをしつけられているのでしょう。結構日本とは違うのです。

 

●フランスの子どもが学ぶテーブルマナー1:「ナプキンを使いなさい」

「ナプキンを使いなさい」

日本ではお箸を使って食べる習慣があるので、テーブルナプキンが普段の食卓で使われていることは珍しいと思います。
ナイフ、フォークの国フランスでは、テーブルナプキンは必需品。お母さんがテーブルセッティングを手伝うように子どもに頼むときも、少なくとも紙ナプキンはテーブルに置かれます。それもないときや急いでいるときは、クッキングペーパーを1枚ずつ切って配られることも。

そもそも、テーブルナプキンの役割はなんでしょうか? 洋服を汚さないように膝に置くものと勘違いされがちですが、ナプキンは飲み物に口をつける前に口をふくものという位置づけです。
ですので、食べてすぐグラスに口をつけると、しつけに厳しい家では「ナプキンを使いなさい」と注意されます。

 

●フランスの子どもが学ぶテーブルマナー2:「人が話しているのをさえぎらない」

「人が話しているのをさえぎらない」

フランス人の家に行って子どもが同席する食事会のときでも、見事に大人が主役です。『フランスと日本でこんなに違う親子関係』という記事の中でも書きましたが、食事会は大人が中心。大人の話を子どもがさえぎって口出しをするようなことがあれば、ビシッと「人の話が終わってから話しなさい」と注意されます。
少し可哀想なようですが、子どもは大人の話に敬意を払って聞くようになります。もちろん「あなたはどう思うの?」と聞かれれば子どもも意見を言います。しっかりした意見をもっているので心の中では「私も話したい!」と思っているのに違いありません。

大人になって、食事会でエキサイトしすぎてほかの人が話している最中に割り込み、「まだ話は終わっていませんよ」と注意される人がいると、子どもみたいでクスッとおかしくなります。
こうやって子どもは、大人になってから自分の意見が言える食事会を楽しみにするようになるのかもしれません。