年齢を重ねるほど落ちていく体力。少しでも、家事をラクにする工夫をしておきたいもの。50代で、整理収納アドバイザーの原田さよさんは、「当たり前だと思っていたもの」を見直したことで、グッと暮らしがラクになったと言います。今回は、キッチンで見直したものについて教えてもらいました。
すべての画像を見る(全6枚)キッチンにある「当たり前のもの」を手放してよかった
ラクな家事を実現する過程でまず大事なのは、ものを減らしていくこと。でも、もうひとつ忘れてはならないポイントは、「今まで当たり前に思っていたことをもっと簡単にできないか?」と考えてみることです。なくすだけでラクになるのに、当たり前だと思っていて、続けてしまうことは意外と多いはず。そんなキッチンにおいて、私が見直してよかったことを紹介します。
●増えていくキッチンツール。減らしてみたら…
私は今、整理収納アドバイザーの資格をとってシンプルライフの記事を書いていますが、元々は捨てるのも片づけるのも苦手でした。「このまま年齢を重ねていくと、将来きっと困る!」と一念発起。50代に入ってから家じゅうの片づけをはじめ、数年後にはラクに暮らせるようになりました。
わが家の狭いキッチンには、かつてはお鍋も食器もたくさんありました。おたまや菜箸や包丁、ザルやボウルなどの道具もたくさん。でも、使うものはいつも決まっていて、それ以外のものはただおいてあるだけという状態。切り抜いたレシピの束やレシピ本も大昔のもので、ずっと見ていないままでした。
予備がないと不安だとか、便利そう、テレビで見たあれだ! とかの理由で増やしてしまったものもあるし、結婚するとき親が持たせてくれたものもまだ置いてありました。ものが多くて使いにくいキッチンだとわかっていても、なかなか減らせませんでした。
このような、わが家のキッチンにあった当たり前のものを少しずつ手放してきたら、収納だけでなく、料理も後片づけもラクになりました。と同時に、こんなになくても今までなんとかなっていたのだと気づきました。
●掃除がしづらかったまな板立てを外してよかった
最近手放したのが、リフォームしたあとのシステムキッチンについていたまな板立て。シンクのすぐ近くにあって便利だし見栄えもいいからと、はじめは喜んでいたのですが、ある日それが邪魔だと気づきました。
シンクのすぐ正面にあるまな板立ての下には、水道を使うたび水が飛び散ります。それを放っておくと白い水垢になるのが、私にはストレスでした。気にならない人もいらっしゃると思いますが、わが家は壁つけキッチンなので、シンク周りがまる見え。そこがくすんでいると、つい目が行ってしまい、憂鬱な気分になりました。
「水垢にならないように」「まな板立てがあるままだとふきにくい」という理由で、水が飛ぶたびまな板立てを外し、ふき取っていました。ところが、これもまたストレス! あるときやっと気づきました。このまな板立てにまな板を立てるから、私はこんな面倒なことをしているのだと。
そこで、まな板立ては外すことにしました。これで、水滴が飛んだらサッとふき取れるし、水垢もつきにくくなりました。
現在、まな板は薄くて小さめのサイズのものを2枚持ち、使ったらシンクで洗って食器洗い乾燥機へ。乾いたら、すぐ引き出しへ立てて入れています。調理のタイミングで、2枚とも食器洗い乾燥機に入っていることもありますし、2枚とも引き出しに立てて入れていることもありますが、これで不便ということはありません。