高校生や無職のヒモ男から、さらには、漫画原作の映画で演じた“人間を食べてしまう不思議な生物”まで、どんなキャラクターも自在に操り、“はまり役”にしてしまう窪田正孝さん。
その窪田さんが6年ぶりの舞台に挑戦するといいます。それがこの2月から東京と大阪で上演される『唐版 風の又三郎』。舞台への意気込みから、プライベートの過ごし方まで、時折笑える話もちりばめながら語ってくれました。
窪田正孝さんにインタビュー!30歳を迎えてちょっぴり大人に
●“ずるい自分”を全部捨ててしまいたい。そんな思いで挑んでいます
窪田さんが唐十郎さんの作品へ出演するのは二度目。2013年に故・蜷川幸雄氏が演出した『唐版 滝の白糸』以来、6年ぶりとなります。
「じつは、前回の舞台では楽しむどころか右も左もわからず、なにもできない自分がもどかしくて、しんどかった思い出があるんです。正解だけを求めてしまう僕の薄っぺらさを蜷川さんに見透かされていた気もして、すごく怖くて苦しくて…。以来、そんな思いから舞台を避けていたのかもしれません。その分、ドラマや映画などの映像作品に力を注ぎ、作品や役柄に恵まれたおかげで、なんとかしのいでこられたし、役者として少しは成長できたのかと思います。…でも、かっこつけてばかりいる自分に気づいてしまって」
そんな“ずるい自分”を全部捨ててしまいたいと思っていたときに、今回の舞台の話が舞い込んだそう。
「“今までの自分が通用しない場所で成長したい”、そう思って、自分がいちばん情けなくてかっこ悪いだけの場所だった舞台に飛び込もうと決めました。捨て身という言葉は陳腐な表現かもしれませんが、声も汗も全部出しきって、血まで全部入れ替えるくらいの気持ちで臨んでいます」
●30歳を迎えてちょっぴり大人に。晩酌を始めました
役者として、ひとりの人間としてくだした窪田さんの大きな決断。2018年、30歳という節目の年齢を迎えて、家での楽しみがもうひとつ増えたとか。
「あまりお酒が飲めるタイプではなかったんですが、30歳になって、遅ればせながら晩酌デビューしたんです。自分でお酒をつくるのも楽しいし、合わせるものによって表情が変わるのに驚いているところです。つまみとしてよく合わせているのは、焼き鳥のハツやせせり。といっても、掃除は得意ですが、料理はまったくダメなので…。近所の人気店の味を、デリバリーしてもらって楽しんでいます(笑)」
オンとオフを切り替えて、役をつかむ作業を進めているという窪田さん。舞台で演じる“織部”は、観客をどんな世界へと導いてくれるのでしょうか。舞台のほかにも、映像作品への出演も控えているそう。2019年も要注目です!
なお、
ESSE2019年2月号では、窪田正孝さんのプライベートにもっとせまったインタビューと写真が掲載されています。こちらもぜひチェックを。
【窪田正孝さん】
1988年、神奈川県生まれ。2006年に俳優デビューし、映画やドラマなど数々の話題作に出演。舞台『唐版 風の又三郎』への出演を控える(2月8日~3月8日、東京都・Bunkamuraシアターコクーン、3月8日~13日、大阪府・森ノ宮ピロティホールにて公演)。また、夏には主演映画『東京喰種(トーキョーグール)2』が公開予定