40代、50代と年齢を重ねるなかで、「いらないものを手放して身軽に暮らしたい」「子どもも独立したし、自分の好きなことをやってみたい」「老後のために家計を見直そう」なんて考えてはいませんか?

「子育ても終わり、老後が近づいてくる50代には、ミニマルライフがおすすめです」と話すのは、60代のミニマリストでカナダ在住のブロガー・筆子さん。筆子さんの最新刊『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)より、「ミニマリストになってよかった」と実感していることをご紹介します。

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ミニマリストになった理由は、50歳で貯金も収入もなかったこと

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50歳で本格的にミニマルな暮らしを始めたという筆子さん。そこに至るまで、紆余曲折があったといいます。

「若い頃は、服、靴、バッグ、雑貨、書籍を大量に所有し、部屋の中はものだらけ。片づけてもすぐに散らかる部屋に嫌気がさして、初めて大々的にものを捨てたのは、27歳の夏のことです。ただ、その後はリバウンドを繰り返しました。

40代の半ばに、一人娘が小学校に入学して時間の余裕ができたこともあって、何度目かの不用品の処分を始めました。かなりやる気がありましたが『この服は、またいつか着るかも』とか、『中国語の教材は時間ができたときにやろう』などと考え、『まだ使えそうなもの』をキープしてしまいました。一方で、インターネットの通販やオークションで、自分用の安い服や雑貨、娘の服などを買うことも続けていました」

●50歳の誕生日に直面した現実…

そうして40 代が終わり、50歳の誕生日を迎えた日、筆子さんは貯金がまったくない現実に直面します。

「娘が生まれてから専業主婦だったので自分の収入がなく、OL時代に貯めたお金を取り崩して生きてきましたが、それも底を突いてしまったのです。夫もお金がなかったのでこちらには全然回ってきませんし、今後もそんな見込みはゼロでした。その日、『もう50歳なのに、貯金も収入もない』と日記に書いたことを覚えています」

娘の大学の学費や自身の歯の治療にもお金が必要で、「このままではまずい」と焦った筆子さんは、「生活を変えたい。いっそミニマリストになってしまえばいいのかも?」と考えたそう。

「当時、アメリカのミニマリストたちのブログをよく読んでいましたが、彼らがミニマルライフのメリットとして、「お金が残る」と書いていたのです。本当に必要なものや体験を買うことだけにお金を使い、そうでないものは買わないからです。

『確かに、そのとおりだ』と思いました。お金がない私には余分なものを買う余裕はなかったので、『ミニマルライフは私にぴったりだ』とうれしくなりました」