余計なものは買わなくなって「お金が貯まった」

そうして本格的にミニマルな暮らしを始めた筆子さんが、「ミニマリストになってよかった」と実感していることのうちのひとつが、余計なものは買わなくなってお金が貯まったこと。

●今あるものをとことん使うようになる

服
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ミニマリストになったことで、人一人が暮らすのに必要なものはそんなに多くないことに気づいた、という筆子さん。

「かつては服や雑貨、本をたくさん持っていましたが、どれも必要だから買っていたわけではありません。買い物は楽しいし、ストレス解消になったから買っていました。素敵な服がたくさんあればきれいになれそう、本をたくさん買えば賢くなれそう、そんな幻想もありました。

ミニマルライフに切り替えてからは、『今本当に必要なもの』と『生きるのに必要ではないけれど、あれば確実に生活が豊かになるもの』を厳選して所有するよう心がけています

そうして、少ない服をとことん着る生活にシフトし、食器や雑貨も今使うものだけを残し、それが壊れるまで使うように。さらには、髪は湯シャンでセルフカットにし、日やけ止め以外の化粧もやめるなど、自分にとって所有したり、使ったりする意味のないものを、どんどん削ぎ落としていきました。

ミニマリストになったことで、これまで、たくさんのものを買うのに使っていたお金を、別のものに回すことができています。以前のように不用品をどんどん買っていたら、もっと苦しい生活になっていたと思います」

●狭いスペースで暮らせるから住居費が減る

家

2014年の秋から、これまで住んでいた家の半分以下のスペースの家に引っ越した筆子さん。便利な場所に引っ越したのにもかかわらず、家賃と光熱費が月に2万~3万円下がったそう。こんな風に生活をダウンサイジングできたのも、所持品が少なく狭いスペースでも暮らせるミニマルライフのおかげだと話します。

「引っ越しのとき、家具を含め、かなりのものを手放しました。ものを捨てたがらない夫も背に腹は代えられず、あれこれ捨てていました。とはいえ、夫はまだまだたくさんものを持っているので、夫の部屋も収納スペースも『捨てないもの』でいっぱいです。しかし、私自身はあまりものを持っていないので、家族がもの持ちでもダウンサイジングを実行できました。

家は、人が持っているいちばん大きな収納スペースです。不用品をたくさんつめ込むのは、使わないもののために住居費や光熱費を払うようなもの。多くの人は、収納スペースがたっぷりある家に住みたがりますが、収納スペースが大きければ大きいほど、今使わない不用品がたまっていきます」