老後の資金のことを考えると、やはり年金の額は増やす工夫をしておきたい。そこで、社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんに、50代の実例ごとに年金を上げるコツを教えてもらいました。
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老後資金をコツコツ貯めるために、あらゆる制度を知っておく必要がありますが、iDeCoなどの個人年金の積み立てが難しい人でも、公的年金が増やせる手段はあります。50代の実例をもとに井戸さんに教えてもらいました。
●CASE1 夫:50代会社員 妻:50代専業主婦の場合
夫が国民年金保険料を満期間納入予定で、妻が専業主婦の場合、年金をアップするには4つの方法が考えられます。
(1) 妻がパートで働き、厚生年金に加入する
一定の条件を満たせば、アルバイトやパートなどの短時間労働者でも厚生年金に加入できる範囲が拡がりました。せっかく働くなら、厚生年金に加入して、生涯もらえる金額を少しでも増やしましょう。
(2) 夫が定年後も継続雇用で、同じ会社で働く
定年で退職せず、65歳から70歳まで継続雇用の道を選びましょう。働き続けながら厚生年金に加入し続ければ、受取額を増やすことができます。
(3) 夫がiDeCoに加入する
会社員もiDeCoに加入しやすくなりました。iDeCoは投資信託を選ぶと元本保証はありませんが、老後の資産形成のチャンスととらえ、利用してみるのも手です。
(3) 老齢基礎年金を繰り下げ受給する
夫婦ともにできるだけ国民年金を繰り下げて受給すれば、冒頭で紹介した通り、繰り下げた月数に応じて年金を増やすことができます。
●CASE2 夫:50代会社員 妻:50代会社員の場合
夫婦ともに会社員(共働き)の場合は、夫婦どちらもするべき対策は同じです。
(1) 夫婦ともにiDeCoに加入する
会社員でもiDeCoを始めやすくなったので、夫婦ともに加入して、ぞれぞれ自分の個人年金を増やす計画を立てましょう。
(2) 夫婦ともに継続雇用で働く
夫婦ともに、60歳を過ぎても契約社員やパートタイマーとして働き続け、厚生年金にも継続して加入しましょう。
(3) 老齢基礎年金と老齢厚生年金を繰り下げて受給する
夫婦それぞれ、国民年金・厚生年金ともに、できるだけ繰り下げましょう。少しでも受給を遅らせることで、受取額がアップします。