1LDKの住まいを好きになろうと決めた
すべての画像を見る(全10枚)1LDKのマンションで一人暮らしをしているブロガーのショコラさんは、60歳を迎えた頃、「自分になにかあったとき、子どもたちに迷惑はかけたくない」と、身の回りのものを減らす「生前整理」ならぬ、「老前整理」を始めました。
広い家や多い持ち物に慣れていると、生活のサイズをダウンさせることはハードルが高いものですが、ショコラさんは、現在お住まいの1LDKのマンションを購入されたとき、迷いはなかったのでしょうか?
「ここを購入した17年前は、“年をとると賃貸住宅を借りられない”という風潮がありました。マンションの値段も底値と言われていましたし、友人のすすめもあって、思いきって新築を購入しました。“狭すぎる”という後悔した時期もあったんですが、今は満足しています」
とはいえマンション購入後、もっと広い住まいに引っ越したいと思ったことも。
「私は離婚して一人暮らしなのですが、母や息子たち、友人たちが遊びに来ることもあって、“人が泊まれる部屋”が欲しくなったんです。50歳を過ぎた頃にここを売って、同じマンション内の2LDKを購入しようかと考えたこともありました。
でも、そこでハッと“自分はぜいたくな考えをしてるんじゃないか”って気がつきました。息子たちも独立したら頻繁に泊まりにこないだろうし、母も足を悪くしていましたし、“この先だれが泊まりに来るんだろう”と考えて。使わない部屋をもっている意味はないし、それよりも今住んでいるこの部屋のことを好きになろうと思ったんです」
暮らしをリセットしてシニア住宅へ
70代で住み慣れた家を離れてサービスつき高齢者住宅(分譲)に移り住んだ、真藤眞榮さん。真藤さんは東京生まれの東京育ち。23区内の都心部にご実家がありました。結婚後も実家で暮らし、その後離婚。就職・子育て・家の建て替え・親の介護…と奮闘しました。
「元の家は母が亡くなったら売却することにしていましたし、子どもに老後の面倒をみてもらおうとも考えていません。さてどうするか…と思っていたところに、知り合いのおばあさまが住んでいたこの部屋が空いたと聞いて、老後の参考に見学させていただいたんです」
来てみると、周囲は緑がいっぱい。施設も充実しています。
「いつでも相談にのってくれるスタッフも常駐しているし、敷地内に病院もある。すぐに『ここ、私が買います!』って宣言しちゃった」
驚いたのは周囲の人たちです。都心のゆったりした家からコンパクトなマンションへの移転。しかも縁もゆかりもない土地なんですから。
「70代のうちなら、まだ体力もあります。こんなはずでは…と思っても、まだやり直しもできるでしょう。実際、引越ししてみてつくづく思いましたよ。『80になってからじゃ、到底無理だったわ』って(笑)」
共有スペースの廊下から玄関、内廊下から居室へと、すべてが段差のないバリアフリー設計のマンションは、とても住み心地がいいそう。
「大食堂があって、一日三食、栄養管理されたお食事をいただけるんですよ。もちろん、都合に合わせてキャンセルしてもいいの。食べた分だけ、毎月清算するしくみです」
そのため、部屋ではごく簡単な調理しかしません。
冷蔵庫やトースターは転居にあたって、小ぶりなものに買い替えました。
大好きな骨董品は厳選して持ってきました。お気に入りの小皿は見せる収納(アクリルケース)に納め、日々の食事で使っています。