エコな住まいを実現した9つのポイント
自然エネルギーを研究する秀一さんにとって自宅は理論を実践する「実験住宅」。二酸化炭素排出量を抑えたうえで、快適に過ごせる工夫にあふれた住まいです。
1.基準を超える断熱材を使って暖かい家に
すべての画像を見る(全30枚)国の定める省エネ基準では断熱材の厚さは壁が10㎝、天井は20㎝ですが、三浦さんの住まいは壁が22㎝、天井が40㎝と倍量の断熱材が充填されています。また、壁内の空気の移動を抑える気流止めも万全です。
2.エアコンは階層ごとに1台ずつ
エアコンは各階に1台ずつ、1階はキッチンの奥に設置しています。「炊事の場なのでここにつけてもらって助かっています」(妻)。夏の冷房は長時間稼働する必要がなく、一度気温が下がればその状態が続きます。
3.普通の家の3分の1の燃料消費ですむ薪ストーブ
日が差さないときや夕方になって室温が下がったときに活躍する薪ストーブ。
一般的な薪ストーブユーザーが冬に使う薪の量はシーズンあたり6㎥ですが、三浦さんの家の場合は必要なときだけつけるので、2㎥程度ですみます。
4.屋根の上の創エネ装置でゼロエネルギーハウスを達成
屋根には太陽光発電パネルと太陽光温水器を設置。薪ストーブを含めた創エネ装置がつくり出すエネルギーは、年間で消費エネルギーを上回っています。「高断熱はゼロエネルギーハウスの前提条件ですね」と三浦さん。
5.データに基づいて空調をコントロール
「実験住宅」だけあって、屋内には20か所以上の温度センサーが取りつけられていて、三浦さんは日々データを採取しています。
「室温と外気温の差が何度になったら冷暖房をつけるタイミングかがわかりました」。
6.吹き抜けは通風装置
断熱性が高い空間では、高いところと低いところの温度差も生まれにくく、さらに吹き抜けがあるため上下階が同じ温熱環境となって、過ごしやすくなります。
高窓は夏などの気温が高いときに通風のため活用しています。
7.大きな窓を可能にしたトリプルガラス
大開口は熱を逃がす要素となりがちですが、高性能のトリプルガラス木製サッシなので問題ありません。
「計画当時は国産のトリプルガラスサッシがありませんでしたが、今は各メーカーから選べます」(三浦さん)。
8.浴室ヒートショックと無縁の家
北側にある脱衣所もリビングと同じ室温が保たれているので、極端な温度差に起因するヒートショックの心配がありません。高断熱の省エネハウスは、快適な健康住宅だということがわかります。
9.床下も室内と同様の温熱環境
床下には温水暖房パネルが装備されていますがほぼ使うことはないそう。基礎断熱が施された床下は室内と同じ温熱環境になっているため、真冬でも水道などの配管が凍結する心配がありません。
間取り図と外観、周囲の環境について
●間取り図
●外観
煙突と南に向いた大屋根が印象的な三浦さんの住まい。広さや南面道路、畑に面した西側など条件に合う土地を数年がかりで探して出合った敷地です。