リビング学習用にスタディースペースをつくると、LDKが散らからず、参考書やノートでテーブルを占領されることもなくなります。その好例として2年前に平屋の家を建てた、日刊住まいライターの事例を紹介。キッチンからほどよく距離をとり、柱でさえぎった場所につくったことで、子どもたちに干渉しすぎることなく、見守りが可能に。間取りの様子や使い勝手をレポートします。

キッチン側から見たリビングにあるスタディースペース
キッチン側から見たスタディースペース。柱でLDKとほどよくさえぎられている
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家族の気配が伝わる!将来も暮らしやすい平屋に

筆者は夫婦と長女9歳、二女6歳、長男3歳、二男1歳の6人家族です。2年前に4LDKの平屋の家を建てました。

以前住んでいた中古の2階建て戸建て住宅では、子どもが小さかったこともあり、ほぼ2階を使わない状態。ですから、家を建てる際は、「平屋にすればムダになる部屋が少なくなるのでは」と考えました。

子どもがどこにいるかある程度わかること、また、将来的に自分たちが思うように動けなくなっても比較的暮らしやすいこと。こうした観点からも、平屋の方が便利だと思いました。

 

平屋の間取り

上はわが家の間取り図です。家が完成したのは2021年の3月。もうすぐ住んで2年になります。

延べ床面積は46.7坪(約154㎡)。子ども部屋は間取り図の間取りの「17」と「19」の2部屋で、将来は上の子2人(長女と二女)が使う予定です。また、「15」の洋室も、将来は壁をつくって下の2人(長男と二男)で使用できたらと思っています。

 

ひとりで勉強できないなら、親もいるリビングで!

スタディースペースで勉強する子ども

家づくりでは、LDKを広くすることを優先して、子ども部屋はあまり広く取っていません。部屋に大きな机を置くことも、想定しませんでした。というのも、子どもにはリビングで勉強してもらおうと思ったからです。

じつは筆者は、間取りを決める前に、周囲の先輩ママに子どもの勉強事情をリサーチ。その際「高校生でも自分の部屋ではやらない」という話も耳にしました。リビングの一角にスタディースペースをつくることにしたのは、こうした事情を考えてのこと。

実際の暮らしでも、現在小学3年生の長女は、宿題について親に質問することが多く、まだひとりで勉強できる状態ではない様子。おまけに、もしも自分の部屋にこもってひとり人でやらせたら、集中できずに遊んでしまいそうです。

結果的に「リビングで学習させる」という筆者の選択は、どうやら正しかった模様。以下に、実際のスタディースペースを紹介していきます。

 

スタディースペースは、キッチンからほどよい距離

キッチンから見たスタディースペース

リビングの一角にスタディースペースをつくると決めたあとも、どの場所につくるか、サイズはどうするかなど、さまざまなことを検討しました。

 

●キッチンやダイニングからほどよい距離感

スタディースペースをどこに設けるか、筆写はかなり悩みました。LDKでいちばんこだわったのは、家族が過ごす時間が長いリビングダイニング。そして、パントリー。スタディースペースの優先順位はその次でした。またリビングクローゼットもつくりたかったことから、今の位置に決定。

一時は、キッチンの隣にスタディースペースを設ける間取り案もありました。しかし、キッチンの近くにはパントリーが欲しかったこと、近すぎると干渉しすぎてしまうことを考え、スタディースペースはキッチンから離すことにしました。

わが家の4人のきょうだいの年齢を考えると、しばらくの間は長女と二女の2人が使うことに。下の子たちがお絵描きなどで机が必要になった際は、リビングテーブルで対応すれば十分。そう考えて、スタディースペースのサイズ感は、2人が座れる幅があれば大丈夫なのではと逆算しました。その結果、幅約180cm、奥行き40cmほどのサイズに。

 

●視線をほどよくさえぎる目隠しとして柱を採用

リビングとスタディースペースを区切る柱

スタディースペースとリビングの境は、一部に柱を採用しました。

完全に壁にしてしまうと、子どもがなにをしているのかまったく見えなくなってしまいます。しかし、柱にすることで子ども側にも、見られている緊張感があります。それでいて仕切られているため、ほどよく視線がさえぎられた空間になりました。

リビングでほかのきょうだいが騒いでいても、意外と集中できています。

 

●目線の高さには窓を設置して明るい空間に

スタディースペースなので、明るさは必須です。頭上には2つのダウンライトを設置し、さらに目線の高さには窓を設置しました。外には隣の家との目隠しもかねて、木を植えてあるため、勉強の合間の癒やし効果もあります。

 

●木製ブラインドやタイルを使っておしゃれに

木製ブラインドとタイルを貼った壁

スタディースペースは、わずかな2畳程度の空間です。スタディースペースとしてつくりましたが、筆者自身が裁縫をしたりパソコンワークをしたりすることも想定。お気に入りのスペースにしたいと考えました。

小さな空間なので、ちょっとしたこだわりなら建築費用にも影響は出ません。そのためあえて、大きな空間では取り入れにくいものを採用してみました。

窓には木製ブラインドをつけ、壁の一部にはタイルを使用。ちょっとしたおしゃれ空間になりました。