家づくりではあと回しにしがちな外構計画。9年前に家を建てた日刊住まいライターも、外構にかけた検討時間や費用は最低限。暮らし始めて、外構が暮らしやすさに大きく関わることに気づき後悔するハメに。結果、ストレスを感じていた駐車スペースから玄関へのアクセスの悪さを、入居7年後の外構工事で改善することに。ストレスの原因、工事後の使い勝手についてレポートします。あなたの外構計画の参考に。
すべての画像を見る(全10枚)最低限の予算と検討時間でつくった外構計画
9年前、夫の実家を二世帯住宅に建て替えることになり、家づくりをスタートさせた筆者。家本体の間取りや設備は十分に時間をかけて検討した一方で、ほとんどこだわりもなく検討に時間をかけなかったのが外構です。
予算の都合もあり、建て替え前の外構の大枠(盛り土や土どめブロック、駐車スペースの位置取りなど)はそのままに。最低限必要な設備だけを追加して整備する家づくりとなりました。
ハウスメーカーに依頼し、家づくりの終盤にでき上がった外構計画のイメージ図がこちら。
2台分の駐車スペース、玄関までのスロープとステップ、フェンス、手すり。必要なものをただ並べただけの外構です。意匠面での残念さは感じながらも、ゼロから再検討する時間もなくこのまま進めていくこととなりました。
駐車スペースから玄関までが遠い!
ただ、暮らし始めてみると、意匠面の残念さはささいなことでした。それよりもストレスを感じたのは、駐車スペースから家の玄関までのアクセスの悪さです。
2台分の駐車スペースは玄関の真横と目の前。どちらも玄関までの直線距離(青線)は近いのに、行き来するためには赤線のようにぐるりと迂回する必要があるのです。
このルートには屋根がないため、雨の日は移動時にわざわざ傘を差さなければならないことも面倒。また、手前の駐車スペースのクルマの乗り降りでは、道路に一度出ることになります。とくに子どもが同乗する際は、前面道路を通行するクルマに注意を払う必要があり、毎回気が抜けません。
通勤や子どもの送迎で日常的にクルマを使うため、本当に日々ストレスを感じていました。
以前はマンション住まいだった筆者には、外構の動線がこんなに暮らしやすさに直結するとは思いもよりませんでした。
入居7年目、アクセス改善のための外構工事を決断
きちんと時間をかけて検討しなかったことを後悔しながら暮らしてきましたが、入居7年目にアクセスの悪さを改善するための外構工事に踏みきることに。新生活にともなう出費も落ち着き、家計に余裕が出てきたためです。
実現したかったのは、2台分の駐車スペースそれぞれから玄関への最短動線。新築時に外構工事の一部を依頼した業者と相談し、2か所に階段を追加する工事を行いました。
まず、手前にある1台目の駐車スペースとのアクセス改善のため、クルマの真後ろにあたる位置に階段を設置。
駐車スペースから階段(写真左)を経由することで、直接玄関前のテラスと行き来ができるようにしました。
階段の位置に合わせて既存フェンスの一部は撤去し、テラスのタイル部分もタイル1列分拡張しています(点線部分)。
階段ステップの一部は、建て替え前からある土どめブロックを活用しているため、ふぞろいで見た目はイマイチ。でも、クルマを停めてしまえば隠れる位置なので、あえてこだわりませんでした。
見た目はともかく、玄関との行き来は劇的にラクになりました。移動距離が格段に短くなったことはもちろん、敷地内で出入りが完結する(道路を経由しないですむ)のは本当に便利。
そして奥の駐車スペースからのアクセス改善としては、玄関ポーチの側面に階段を追加することに。
この階段のおかげで、クルマの運転席からたった数歩で玄関にアクセスできるように。玄関ポーチと同じタイルを取り寄せて貼っているため、統一感のある仕上がり。見た目も大満足です。
もともとあった玄関正面の階段、追加した側面の階段と、2方向から玄関にアクセスできることも便利。家の裏手側から出入りする際も、迂回が不要になり、駐車スペース以外からのアクセスも改善しました。
今回の工事では、階段を2か所追加したのみで、見た目の大きな変化はありません。でも、どちらの階段も、「追加しただけで、こんなに便利になるなんて!」とその効果に驚くことに。その一方で、あらかじめ動線を考慮して外構計画を立てることの重要さを改めて痛感しました。
なお、かかった費用の内訳は、以下の通りです。
・手前の駐車スペースのステップ:約17万円
・玄関ポーチに追加したステップ:約15万円
・諸費用:約5万円
合計で約37万円(+消費税)。
かなり大きな金額となりましたが、長年感じていたストレスが解消されたことを考えると、かけた金額の価値はあったと思っています。