年末になり、今年の確定申告について考え始める人も多いはず。そこで上手に節税できるおトク技は覚えておきたいもの。そこで、『知らないと損をする! 年金生活者 定年退職者のためのかんたん確定申告 令和4年3月15日締切分』『マネるだけ医療費控除申請ブック2023』(扶桑社刊)より、損しない確定申告についてご紹介します。

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知らないと損!2023年3月15日締め切りの確定申告ガイド

コロナ禍でPCR検査を自費で受けた人も多いはず。じつはこれらの費用が、条件次第では「医療費控除」の対象になるって知ってましたか?

そもそも「医療費控除」の仕組みは、、支払った医療費が年間で10万円を超えたときに確定申告をすれば、数千円から数万円のお金が1か月~1か月半後に戻る制度です。

過去に医療費が10万円を超えていたのに申告を忘れた場合でも、5年分さかのぼって申告できるほか、家計が同じ家族の医療費を合算して申告可能。

もし会社員なら、所得税が還付されたり、住民税が安くなったりする節税は貴重なので、上手に活用しましょう。

●家族で収入の多い人が申告するのが一番お得

医療費控除で戻ってくる金額は、申告する人の所得税率で変わってきます。

たとえば、医療費控除の金額が20万円の場合、所得税率が5%の人は1万円、10%の人は2万円の還付が受けられます。

つまり、同一世帯に収入を得ている人が複数いるケースだと、もっとも収入が多くて所得税率の高い人が、家族の分もまとめて申告するのが一番お得です。

ただし、医療費の合計が10万円以下の時は、世帯の中でも総所得が200万円未満の人しか申告できません。10万円が申告のボーダーラインとなるので注意しましょう。

一方、住民税は課税所得額に関係なく、控除金額の10%分が安くなります。

【ジャンル別】医療費控除の対象になるもの・ならないもの

医療費

「どんな支払いが医療費控除になるの?」とお悩みの方はけっこう多いですよね。そこで、ここからは医療費控除の対象になるもの・ならないものをご紹介します。来年の確定申告で慌てることのないよう、今からしっかり確認していきましょう!

●病院の治療費・入院費

病院の治療費や入院費は、対象となるもの・ならないものがとても多いため、「治療目的」か「予防・美容目的」のどちらに該当する支払いなのかを明確にしましょう。

基本的には「治療目的」の支払いは医療費控除の対象となり、「予防・美容目的」の支払いは対象になりません。入院した際の自己都合による差額ベッド代なども同様です。

ただし、健康診断や人間ドックで病気が見つかった時は控除の対象になります。

【控除対象になるもの】

・治療を目的に支払った医療費

・重大な病気が見つかったときの健康診断や人間ドック費

・医師の指示によるメタボ健診

・医師の指示のもとに購入した松葉づえや血圧計などの道具や機器

・入院で治療のために購入した身の回り品

・入院時の治療費や検査費用

・入院時の病院食代

・禁煙治療の費用

・がん治療の費用

・新型コロナウイルスの陽性が判明したときの自費抗原検査・PCR検査費用 など

【控除対象にならないもの】

・病気の治療を目的としない医療費

・予防のための健康診断や人間ドック、メタボ健診の費用

・予防のためのがん検診

・臨床心理士によるカウンセリング料

・入院時の自己都合による差額ベッド代

・入院時に直接治療と関係のないものの購入費

・医師や看護師への謝礼・お心づけ

・インフルエンザなどの予防接種費用

・新型コロナウイルスの陰性証明のための自費抗原検査・PCR検査費用 など