住宅番組のMCを務め、ついに住宅探訪の本まで出してしまった家好き芸人・アンガールズ田中さん。約10坪の敷地に立つ、建築家・宮原輝夫さんの事務所兼自宅を訪ねました。建築面積はわずか6.58坪。宮原さんも自身の設計した家で、「間違いなく最小」というお宅には、狭さを感じさせないアイデアがたくさんありました。

建築家・宮原輝夫さんの自邸前で、パチリ!
まずは建築家・宮原輝夫さんの自邸前で、パチリ!
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玄関を入ると半階下がった落ち着いた仕事場が登場!

仕事場
玄関を入ると扉が2つあり、左手の扉をあけると、半地下の仕事場への階段があります。「住居と入り口が分かれているのはいいですね」(田中さん)

約10坪という狭小敷地に建つ宮原輝夫さんの家は、斜めの壁が多いユニークな外観が印象的。

なぜこのような外観になったかというと、コンパクトな敷地を最大限に活用するため、変形した敷地の形状に合わせてつくったから。外壁はグレーのガルバリウム鋼板平葺で、ジョイント部が少しずつズレていって、5回に1回そろうように張られているのもユニークです。

「無機質になりすぎないように、さりげなくデザイン性を持たせているんですね」と田中さん。角地のため見える壁の面積が広く、敷地面積のわりに大きく見えるのも特徴です。

 

宮原輝夫とアンガールズ田中さん
大きなテーブルのある打ち合わせスペースで、この家の模型を見ながら説明を受ける田中さん。半地下なので静かで、落ち着いた雰囲気です

この家は、宮原さん夫妻が約20年前から住んでいた建売住宅を建て替えたもの。小道につながる静かな住宅地の角地で、借景の緑も望める環境が気に入っているそうです。

問題は、「これまで設計してきた作品の中で、間違いなく最小」(宮原さん)というコンパクトさ。これを解決するために取り入れたのが、各階の床の高さをずらして設置するスキップフロアです。

 

仕事場の壁面のパネル
仕事場の壁面のパネルは、オーダーした和紙で宮原さんが制作したもの

玄関を入ると半地下になった1階への階段があり、下りると宮原さんの仕事場が。以前は自宅と別に事務所を借りていましたが、建て替えを機に「職住隣接」を実現。利便性が高まり、さらに1階にあった駐車場をなくしたことで耐震性も高まっているそうです。

 

作業スペース

打ち合わせスペースの奥には、引き戸で仕切れるスタッフの作業スペースも。

 

北側の窓からも出入りが可能

半地下の仕事場は、目隠しになるパンチングメタルを設置した北側の窓からも出入りが可能。「茶室のにじり口みたいでおもしろいですね~」(田中さん)

 

【この住まいのデータ】

  • ▼家族構成
    夫50代 妻50代
    ▼住宅の面積
    敷地面積/34.15㎡(10.35坪)
    延床面積/64.28㎡(19.48坪)
    1階21.70㎡(6.58坪) 2階22.63㎡(6.86坪) 3階19.95㎡(6.05坪)