女優・川上麻衣子さんの暮らしのエッセー。 一般社団法人「ねこと今日」の理事長を務め、愛猫家としても知られる川上さんが、猫のこと、50代の暮らしのこと、食のこと、出生地であり、その後も定期的に訪れるスウェーデンのこと(フィーカ:fikaはスウェーデン語でコーヒーブレイクのこと)などを写真と文章でつづります。
第20回は、3年ぶりのスウェーデンの首都ストックホルム1週間滞在記<後編>です。

猫とフィーカ
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◆スウェーデン滞在記前編はこちら

川上麻衣子さん3年振りのスウェーデン訪問。肌で感じた「円安」の実態とは

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スウェーデン・冬の「極夜」に欠かせない暮らしのアイテム<川上麻衣子の猫とフィーカ>

3年ぶりに訪れたスウェーデン。私にとって生まれた国という身近であるはずの場所でしたが、コロナ禍を経てようやくたどり着いたときには、「異国の地」にいるという、懐かしい高揚感がありました。

スウェーデンの建物の前に座る川上麻衣子さん
スウェーデンで開催されるノーベル賞晩餐会の会場・ストックホルム市庁舎にて

目に写る景色ひとつひとつに、心が動かされ、私たちの暮らしとは明らかに違う文化を改めて知る旅となりました。

●早朝のストックホルムで感じた“変化”

パンとコーヒーとキャンドル
パン屋兼カフェでの朝食

今回街を歩いていて、まず目についたのはパン屋さんがとても増えていたことです。もともとスウェーデンのパンは香辛料が効いていて、おいしい印象がありましたが、以前はそれほど種類が豊富ではありませんでした。

今回の旅では、新しくできた店のそれぞれに個性があり、朝のパン屋巡りが日課となりました。そこで気づいたのは、どの店も早朝からしっかりとキャンドルに火を灯していること。

カフェのテーブルに灯るキャンドル

日本では、ろうそくに火を灯すのは、仏壇か停電のときといわれるほど、日常生活には無縁と言ってもよいかもしれません。

最近では、アロマキャンドルが少しずつ浸透している気配は感じますが、スウェーデンの場合はアロマはほとんど焚かず、純粋に炎を楽しんでいるように思います。

●極夜のスウェーデンに欠かせないキャンドル

スウェーデン人にとってキャンドルは、必需品。インテリアにも欠かせるものではなく、これから迎えるクリスマスに向けて、どの住宅の窓にも優しい灯りが揺れています。

明け方のストックホルムの街並み
湖面に映る灯りが幻想的な、明け方のストックホルムの街並み(極夜になる少し前の時季)

冬に向けては、白夜の反対で極夜と呼ばれる夜が、1日を支配します。首都のストックホルムでさえ朝10時過ぎに夜が明け、午後2時頃には暮れはじめます。ほとんどが夜のその季節に、いかに豊かに暮らしを彩るかを考えたからこそ、北欧のインテリアは発展したと聞きます。

流行とかおしゃれ、とかそういった次元では説明できないほどキャンドルの灯りとともに暮らしています。