「家を買う・買わない」は、正解がない問題ですよね。「転勤族の場合、そこにさらに多くの悩みが加わってしまいます」と話すのは、現在40代のライフオーガナイザー・高田舞子さん。転勤族の高田さんが抱えていた家の問題と、夫が50歳を迎えての変化について教えてもらいました。
家を買う?買うならいつ?50代に突入した転勤族の決断
すべての画像を見る(全6枚)家を買うなら、いつ、どこで? だれしも一度は通る、「家を買う買わない問題」。とくに転勤族の場合、以下の2択で迷う人が多いのではないかと思います。
・ 転勤地で賃貸に住み、家族一緒に暮らす
・ 家を買って定住地を持ち、単身赴任を選ぶ
どちらも間違いではありませんが、子育て家庭の場合、なおさら頭を抱えてしまう究極の2択です。その背景には、「転校を繰り返すのは子どもの負担が大きくなるのでは?」「家族一緒に暮らすことが、子どもには大事なのでは?」という考えがあり、この両極を行っては戻り、を繰り返すばかり。
家族が一緒に過ごす時間を長く取りたい一方で、子どもの成長や教育環境についても思案してしまう。そのバランスに私も悩んできましたが、夫が50歳になり、ようやくマイホームへの歩みを進めました。
わが家は3人暮らし。
夫(50代)…全国転勤あり、周期は不定
妻(40代)…働き方はフレキシブル
息子(小学3年生)…マイペースでひょうきん
50代転勤族の家探しのきっかけとは? 私が実際に感じたことをご紹介します。
●転勤族は家を持つタイミングを見失う
家を買うタイミングがわからない。多くの転勤族が同じ悩みを抱えます。
子どもの性格や年齢、会社の福利厚生など、家庭により状況は異なりますが、「転勤についていく」にも「単身赴任を選ぶ」にも、それぞれにメリット・デメリットがあるからです。
【転勤についていく場合】
<メリット>
・家族が一緒に暮らせる
・家賃補助、引越手当などの福利厚生が手厚い
<デメリット>
・妻の働き方に柔軟性がないといけない
・いつどこで家を持てばいいかわからない
【家を買い定住(単身赴任)する場合】
<メリット>
・子どもの転校を最小限にできる
・拠点を持ち定住できる
・いつどこで家を持つか明確
<デメリット>
・二重生活の単身赴任はお金がかかる
・単身赴任はワンオペになる
一長一短はどちらにもあり、優劣をつけられず悩み続けました。ただ、やはり子どもの成長をいちばんに考え、いずれ訪れる思春期や進学問題に重点をおきました。息子はひとりっ子、お父さんが大好きで男同士の絆もある。単身赴任でも月に1~2度は顔を合わせるだろうけれど、日常を共有することはできません。
とはいえ、中学生になってからの転校は二の足を踏みます。中学校生活を見据え、小学校高学年までには定住地を設けたい。小学校生活の後半は同じ学び場で少しでも長い時間を、と漠然と思うようになりました。
●転勤族の住宅に関する不安
子どもの成長過程で引っ越しを繰り返すことは避けたいと思うのと同時に、もうひとつ気になり始めたのが、この先、いざというときのこと。
もし夫が働けなくなれば、社宅扱いのマンションも退居となるのでは? 退居でなくとも、家賃は全額自己負担になるでしょう。しかし、住宅ローンであれば返済が免除となり得るケースもあります。
家探しにいまひとつ踏みだせないものの、いざというときの不安は無視できません。