●自閉症の子をもつシングルファーザーだったパートナー。大変さも分かち合いたい

加賀まりこさん
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あきらめずにノックした相手のひとりが現在のパートナー。長年の麻雀仲間だった彼に「恋人としてつき合ってほしい」と伝えた結果、ようやく恋が実り、59歳のときから事実婚を続けています。

「彼は、シングルファーザーとして自閉症の息子を育てていて、女性とつき合う気がなかったのね。振り向いてもらうまでは時間がかかったけど、私も彼の事情はわかっていたから待つことができた」

パートナーとなってからは早くも20年。今では「無防備に口をあけて寝られるような、気を使わない関係」になったと話します。

「そりゃ最初のうちはカッコつけてたけどね、今はぜーんぜん。ただ、ふたりの記念日をちゃんと私が覚えていると、『おっ、覚えてたの?』とうれしそうなのよね(笑)。彼はお父さん的なところがあって、私が電話で乱暴な口を利いていると、『ああいう言い方はしないように』なんて怒られるのよ。反対に、地図を読むのが苦手な彼に私がブーブー文句を言うこともあるし。でも基本的に、ふたりでいるときは、ほとんどふざけてるわね。彼のつまんない冗談に、私が『却下!』って言ったりね(笑)」

ふたりの関係について、「わかり合おうとは思わないけど、分かち合って生きていきたい」と加賀さん。それは、けっして楽しい時間だけを目指すのではなく、相手が背負ってきたものごとも含まれています。

「自閉症の子をもつ親にとって、自分が先に死んだらこの子はどうなるんだろう…? というのは永遠の課題よね。ついこの前も、今後のことを考えて遺言書をつくっておこうと、ふたりで司法書士の事務所に行ったんです。親である彼とまったく同じ気持ちになれるわけではないけど、彼の大変さを少しは分かち合いたいと思うから」

11月28日発売の『60歳からはわたし基準でうまくいく!』(扶桑社刊)では表紙を飾る加賀まりこさん。健康や体力を維持するための生活習慣についてもお話しいただいています。60代からの暮らしを考えるヒントがたくさん。ぜひチェックしてみてください。

 

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