国が違えば常識も違います。フランスで病気になったときにかかる「かかりつけ医」は、日本ではなじみのない存在。フランス生活文化研究・翻訳者のペレ信子さんが教えてくれました。

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フランスのかかりつけ医は、見かけも話すこともフランス流

フランスで具合が悪くなったとき、緊急の場合を除いていきなり大きな病院には行けません。日本でも大きな病院にかかるにはかかりつけ医の紹介状がないと特別の料金を取られることが増えてきましたが、似ていますね。
いわゆる「かかりつけ医」との関係は大切です。そのイメージは日本とフランスでかなり違っておもしろいので、その様子をご紹介します。

 

●フランスのかかりつけ医の待合室は、豪華なサロン

室内

フランスで病気になったらまず「ジェネラリスト」と呼ばれるいわゆる「総合医」であるかかりつけ医のところに行って診察してもらいます。そのかかりつけ医というのが、日本のイメージとはかなり違うのです。

いちばん違うのが、診療室。日本のかかりつけ医はビルの中や一軒家でも「医院らしい」場所と雰囲気ですが、フランスのかかりつけ医は、街中だと19世紀のアパルトマンの中にあったりします。
友達の家に行くようにインターホンを押して外ドアを解錠してもらい、待合室として通されるのは暖炉があって、大きく重厚な革のソファーが配置されたリビングルームだったりします。

●かかりつけ医はおしゃれな場合が多い⁉

外観

受付で自分の名前を伝えて、サロンのフカフカのソファーでくつろいでいると、かかりつけ医本人が、「マダム・なんとか」と名前を呼びながらサロンまで迎えに来てくれます。
すでにかかりつけ医と顔見知りなら、まるで友達を迎えるように笑顔で握手しながら、初めてでも丁寧に挨拶しながら、親切に診察室にエスコートしてくれます。

その格好も、白衣ではなくて、こざっぱりとしたシャツやセーターにスラックス、女性ならおしゃれなワンピースなど堅苦しくなく、好感のもてる服装が多い印象です。
問診が主なので、診察に必要な時以外は白衣を着ていません。リラックスして、なんでもおしゃべりできそうな雰囲気です。