義理の両親との同居生活をしながら子育てに奔走していた千夏さん(仮名・30代)。前回までは母親を亡くし、レスに拍車がかかるなかで、夫に浮気をされてしまった当時のお話を伺いました。そんなとき、逃げ出した先は、力になってくれた姉夫婦の家。夫との関係修復は叶うのでしょうか。
すべての画像を見る(全5枚)娘を連れて家出。夫は泥沼不倫から抜けられるのか?
レスが原因で「離婚したい」と言ってきた夫ですが、実際は職場の年上女性と不倫関係になっていたことが判明。「浮気は男の甲斐性」という義理の実家の環境下で、私が心身のバランスを崩しそうになっていたなか、「こっちにおいで」と救いの手を差し伸べてくれたのは姉夫婦でした。
姉夫婦の家に着の身着のまま走った私は、やっと娘とゆっくりした時間を過ごすことができました。体調やメンタルの不調も徐々に回復していき、近すぎて見えなかった夫の本性がだんだんとわかってきたのもこの頃です。
●家出の理由を周囲にごまかす夫
夫自身は、私が家を出た理由をまったく理解できずにいた様子。義理の両親や会社には「妻が体調を崩して、実家に戻った」くらいの軽い感じで本当の理由を隠していたそう。
幼い子どもを抱えて経済力もないし、実母も亡くなって、これからどうしよう…と茫漠とした不安を抱えた状況で、力になってくれたのが義理の兄(姉の夫)です。
ずっとレスという原因をつくり出した私がおかしいのかな? という自責の念に駆られていましたが、「そんなことはないんだよ」「少しがんばりすぎていたんだから、ここでゆっくり休んで」と根気強く励ましてくれました。
●義兄の交渉に折れた夫。自宅に帰ることに
そして、毎晩のように夫に電話をかけて、「自分の家族と社内の浮気相手、どっちを取るのかハッキリしろ」と交渉をしてくれたのも義兄です。ただ夫はのらりくらりな様子で、「浮気相手と別れる気はなさそうだ」と義兄から聞き、私としてはもうダメかなと離婚を視野に入れて考え始めていました。
姉夫婦としては、夫が目を覚ましてさえくれれば、きっとやり直せると信じ、根気強く話し合いと説得をしてくれていました。そうして3週間がたち、夫は浮気相手と別れるということで話はまとまり、私たちは家に帰ることになりました。
ただニュアンス的に、子どもがかわいいから離れたくないという思いがいちばん強そうな印象を受けました。私のことを好きという感情は、もしかしたらもう、夫もこのとき既になかったのかもしれません。
●不倫相手と別れるのに1年くらいかかった
帰宅すると、義理の両親からは「もう体は大丈夫なの?」ととんちんかんな心配をされましたが、本当のことを話したところで、この人たちには理解してはもらえないんだろうなと思い、その日から私は義理実家で心を閉ざして生活することにしました。
すぐに浮気相手と別れると約束していた夫ですが、相手は職場の女性。結局、毎日顔を合わせるわけです。そして妻の私とレスが解消することもないため、結局不倫はその後1年近く続きました。
関係が終わったきっかけは、相手の女性がほかの人とも派手なおつき合いをしていて、それが社内で公になってしまったため、なかばクビのような形で退職になったこと。
結局、自分自身で浮気に終止符すら打てなかった夫は、私の中で大切な存在というより、仕方なく同じ船に乗っているだけの人になってしまっていました。