二股をかけられて別れた挙句、ストーカーになった元彼と結婚し、女の子を出産した主婦の沙穂さん(仮名・45歳)。義理の父から跡継ぎの男の子を産むようプレッシャーをかけられるなか、肝心の夫とはセックスレスに陥ってしまいました。当時の心境を詳しく語っていただきました。
すべての画像を見る(全4枚)「跡継ぎを産んで!」無神経な義父に悩まされる日々
セックスレスに陥った私たち夫婦。新婚当時に住んでいた家は、夫の両親がプレゼントしてくれた一戸建て。同じ敷地に義理の両親と義理の兄夫婦の自宅もあります。夫が仕事でいないときでも、孫の顔見たさに義理の両親が頻繁にわが家を訪れていました。
義父は完全な亭主関白で、義母が家の中のことをせっせとこなしている間も座ったまま一歩も動かず。おなかがすくと「なにかない?」と言っては、義母にビールとおつまみを出させるようなことが常態化していました。
決して悪い人ではないのですが、産後すぐの私に「太ったよね?」などと思っていることを悪気なくそのまま口にしてしまう、デリカシーのないところもありました。
●孫と遊んでいた義父から、跡継ぎを産むよう急かされる
ある日、いつものように娘の顔を見に来た義父に、お茶をいれたときのことです。
「沙穂さん、やっぱり男の子も産んだ方がいいよ。女の子だと、お嫁に行っちゃうし。うちの嫁さんたちはみんな男腹だったから、どの家もちゃんと跡継ぎがいるんだ。沙穂さんももう一人、子どもつくったらどうかね? 男の子はいいよ。跡継ぎ産んでよ」
当時、まだ産後4か月。死ぬほど大変な思いをして子どもを産んだのに、この人はなにを言っているのかと思いました。
ポカンと呆気にとられてしまって、言い返すこともできず。
この日を境に、義理の父は「女の子もいいけれど、跡継ぎになれないからなぁ」としきりにこぼすように。そんな継いでいくような立派な家系でもないのに、やたらこだわってくるのです。
●産後一年が過ぎても、夫とはセックスレスのまま
一方で、立ち合い出産のトラウマでセックスレスになってしまった夫との関係も、改善の兆しすら見えないまま。一定数、そういうことになる人はいると事前に話は聞いていましたが、まさか自分の夫がこんな深刻な状況になるなんて思ってもみませんでした。
「お義父さんに跡継ぎが欲しいから、2人目を早くって会うたびに言われてるんだけど」と伝えてみたりもしたのですが、「オヤジは昔気質の人間だからさ、許してあげてよ。気にすることないって、聞き流して」と軽んじられてしまい、私のストレスはどんどん募ってゆきました。
唯一の救いだったのは、すぐ隣に住む夫の兄の妻である、お義姉さん。彼女もかつて義父の無神経な跡継ぎ催促をされていた被害者だったのです。
レスなのに2人目妊活を迫られる辛さをだれよりも理解してくれて、家も隣同士なので、時々家に来て愚痴を聞いてくれたりしました。
なにかあるとすぐに連絡を取り合い、励ましあえる、とても心強い存在になりました。
●神様からの贈り物。奇跡の第二子、妊娠
義父に跡継ぎを急かされて困っていると私が何度もしつこく愚痴るので、夫もしかたがないなという義務感にあふれた微妙な雰囲気で一度だけタイミングをとったことがありました。すると、そのたった1回で、妊娠が判明したのです。奇跡だと思いました。
妊娠や出産のあとはできやすいとは聞いたことがあったのですが、こんなにすぐ願いが叶うなんて! しかし、喜びもつかの間。いっきに奈落の底に突き落とされるような出来事に見舞われてしまいます。