3年ほど前に中古住宅を購入し、リノベーションをした日刊住まいのライター。好みのシンプルな家にするために、色や素材、間取り、ディテールについてこだわったことがあります。その中身と、できあがったシンプルな白い箱のような家について語ります。
すべての画像を見る(全8枚)家づくりのテーマは「白い箱」
3年前に中古住宅を購入し、フルリノベーションしたわが家。リノベーションでは、夫婦の好みから、白を基調としたシンプルな空間をつくりました。具体的には、以下のような空間です。
・細かく仕切らずにおおらかにつながる空間にする
・1、2階は吹き抜けに
・インテリアは白を基調とする
家自体をつくり込まず、暮らしていくなかで、わが家に個性をたしていけたら…。そんな思いから決めた家づくりのテーマは「白い箱」。
シンプルな空間にしておけば、長く住む家に飽きることなく、ずっと好きなまま。年月とともに、好みや環境が変化しても、新たなリノベーションは不要。家具や雑貨を変えることで対応できて、インテリアも楽しみやすいはず。そんな思惑もありました。
そのため家づくりでは、たし算の考え方ではなく、引き算の考え方を意識。あって当然だと思っているものも、本当に必要なものなのかを考え、なくてよいものはなくし、できる限りシンプルに。
こちらは、わが家1階のLDKから、階段室などを見た様子。引き算の考え方をしたおかげで、間仕切りやドアといったものも最低限にしています。
間取り的にも、シンプルで箱に近い空間ができ上がりました。この写真は、キッチンから見た、ダイニングとリビングです。1階は、このLDKがメインになっています。
クロスは白で統一しました
家のイメージを大きく左右する壁。わが家では、価格が手頃なクロスを採用しました。選んだクロスは、あえて白1色のみに。
部屋やスペースでクロスを変えたり、アクセントクロスを採用したりすることにもあこがれはありました。しかし、家づくりのテーマは「白い箱」。欲張りたい気持ちはガマン。
1色に絞ったことで、結果的に家全体が統一感のある、シンプルですっきりな印象になりました。また、白いクロスの効果で、家全体も明るいイメージに。やはり、明るい家は気分も明るくなります。
内装に使う素材・カラーを絞りました
クロスを白で統一したことに加え、内装に使う素材やカラーも、引き算をしてなるべく絞りました。
たとえば木材について。床の無垢材、階段、キッチンなどで造作に使っている材の雰囲気や色を、すべてある程度合わせています。
アクセントとして塗装する部分や、階段の鉄骨柵などの色は、全部白に統一。また、設備のシーリングファンや照明も、すべて白を選びました。
ただし、床材の一部にはグレーを使っています。間仕切りのないひとつながり空間を、視覚的に分けるためです。
玄関から続くスペースと、リビングスペースの床材に変化をつけて、ゆるく区切り、気持ちにメリハリがつくようにしました(「今からリビングに入るぞ!」という気分になる)。ちなみに選んだグレーの素材は、フレキシブルボードです。