生理は、面倒なことばかり…と思っていませんか? 毎月の生理があるのは、女性ホルモンが分泌されているからですが、経血で洋服を汚してしまったり、生理痛がつらく元気に過ごせなかったりする日もありますよね。生理日を快適に過ごせる方法はいくつもありますが、今回はタンポンの使い方や鎮痛剤とのつき合い方について、女性の強い味方である産婦人科医の高尾美穂先生にお話を伺いました。
産婦人科医に聞いた!タンポンの正しい使い方や鎮痛剤とのつき合い方
すべての画像を見る(全2枚)スポーツをする人や、アクティブに動きたい日に便利なのがタンポンです。
「タンポンは使い慣れれば便利で快適なものです。しかし、タンポンを正しく使えてない人は多いのです。これはあまり知られてないのですが、タンポンの連続使用は基本的にNG。タンポンを使用して抜き出したら、そのあとは生理用ナプキンで過ごすのがルール。タンポンとナプキンは交互に使うのが理想です。これはタンポンの取扱説明書にも記されています」(高尾先生)
ナプキンと同様、タンポンも取り換える意識を忘れずに。長時間の連続使用は、まれにトキシックショック症候群という病気を引き起こす原因にもなるので、大変危険です。経血が多い日は3~4時間、少ない日でも8時間以上は使用しないように気をつけましょう。
鎮痛剤はつらくなる前に飲むのが効かせるコツ
生理痛のときに、頼りになるのが鎮痛剤です。この鎮痛剤は、服用するタイミングが重要のようです。
「重い生理痛には、迷わず鎮痛剤を服用しましょう。痛みを感じる前に飲むのが、効率よく効かせるポイントです。痛みの原因となるプロスタグランジンの分泌を抑えることができます」(高尾先生)
よく「鎮痛剤を飲み続けると、クセになるし、薬への耐性ができて効かなくなるのでは?」と思うことも。でも…
「市販されている鎮痛剤では、そのような心配はまずありません。生理痛が重い生理の1~2日目に、朝・昼・晩の3回飲むぐらいであればクセにはなりません。用法・用量を守って服用していれば基本的に耐性はできないです。ガマンせずに早めに服用してくださいね」(高尾先生)
●年々、生理痛が重くなる人は要注意
ただし、生理のたびに鎮痛剤が手放せない人は要注意。
「30代後半にさしかかると女性ホルモンの分泌が減少し、それに伴い子宮内膜も薄くなるため一般的に生理痛は軽くなります。それなのに鎮痛剤が手放せないほど生理痛がひどいなら、それは月経困難症という立派な病気です。なかには子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が隠れているケースもあります。“たかが生理痛”と軽視しないで、病院で相談してくださいね。低用量ピルを用いて、毎月の生理痛を緩和する方法もありますよ」
高尾美穂先生の最新刊『オトナ女子をラクにする心とからだの本』(扶桑社)では、ここで解説した生理期間の快適な過ごし方のほかに、気になる妊活のこと、ESSE世代が気になる「女性ホルモン」のことを考えた生活習慣や、心をラクする気持ちの切り替え方などを紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
【女性ホルモンにいいこと大全】オトナ女子をラクにする心とからだの本
NHK「あさイチ」などのテレビ番組でおなじみ、産婦人科医・高尾美穂先生の新刊本。
毎日頑張るオトナ女子に、高尾先生が「自分を大切に、もっとラクに生きていいんだよ」というメッセージを込めた一冊。30~40代のオトナ女子に向けて、生理や妊活、女性ホルモンこと、女性特有の病気などをわかりやすく解説しています