「空間が有効活用できる」「物置になるだけ」…と賛否両論あるロフト。10年前に約65㎡の中古マンションをリノベーションした日刊住まいライターは、子ども部屋として使うことにしました。引っ越し当時は2人だった子どもはやがて3人に。みんなの成長は待ったなし。そんな状況で、ロフトはどう変わったのか。はたして、子ども部屋にするという選択はよかったのか。10年を振り返ります。
すべての画像を見る(全10枚)10年前にリノベーション前提で中古マンションを購入
筆者は、10年前にリノベーションをすること前提で、築30年の中古マンションを購入しました。当時は夫婦と5歳の長女、0歳の長男の4人家族。子育てしやすい立地を重視し、広さや間取りにはあまりこだわっていませんでした。
理由は、購入前に多くのリノベ雑誌を読み、65㎡程度の面積でも工夫次第で、自分たちらしい空間を実現できると思ったからです。また、フルリノベーションしか頭になかったため、間取りをチェックする必要はないと考えていました。
そして、自分たちの好みを実現してくれそうな地元のリノベ会社を見つけ、購入と同時に依頼。
リノベでロフトをつくり限られたスペースを有効活用
10年前のリノベーションで筆者が希望したのは「回遊性のある間取り」。どこにいても家族の気配を感じることができる、子どもたちが自由に動ける、そんな暮らしをイメージして住まいのイメージをふくらませました。
上はリノベーション後の間取りイメージです。
このようにトイレや浴室以外はドアのない間取りに。家の中をぐるぐる回遊することができつつ、子ども部屋は壁で囲って空間をある程度ゾーニングできるようにしました。
こちらはリビングのイメージ図。リビングのテレビ背面の壁の裏に、6畳ほどの子ども部屋を設けました。
4人家族で住むにしては小さめのマンション。リノベ計画時、スペースアップも兼ねて子ども部屋にロフトの設置の提案がありました。
限られたスペースを有効に活用することができる、子どもも喜ぶはず、と採用を決定。収納や子どもの遊び場など、さまざまな使い方ができそうだね、と夫婦で期待をふくらませていました。
リノベ当初は子どもが2人。大きくなったら、子ども部屋に壁をつくって分断して、2つの子ども部屋をつくることで、子どもたちの成長にも対応できると考えていました。
住み始めた直後はロフト下勉強スペース、上を遊び場に
上の写真は、実際に完成した当時(10年前)のロフトの様子です。
天井を取っ払い、コンクリートの構造をむき出しにしたため、床から天井までの高さは250cmほど。ロフト上の高さは100cm程度、ロフト下の高さは145cm程度です。
住み始めた直後は、ロフト下を小学校に入る長女の勉強スペースに、そのほかの部分を兄弟が遊べるスペースとして活用しました。また、ロフトにはIKEAのキッズ用テントを置き、子どもが遊んだりおやつを食べたりできる場所に。
これが子どもたちに大好評。また、遊びに来た友だちからも、「ここ楽しい!」とわが家で人気の場所になりました。
玄関のある廊下側にはくり抜き小窓もあります。リノベした当初は、ロフトで遊んでいる子どもたちが、ここから「おかえりー」と、家族をお出迎えすることも。思っていた以上に楽しい空間になり、子どもも大人も満足!
その後、子どもが3人に!成長とともに問題も浮上
リノベ5年後には次男も誕生したわが家。現在は、子どもたちも16歳、11歳、6歳と成長しています。小さいころは、子どもたち3人で過ごせた子ども部屋。成長とともに使い方も変わってきました。
さきほど紹介したように、ロフト下の高さは約145cm。そのため、油断すると大人は頭をぶつけてしまいます。ロフト下で思わず立ちあがってしまったとき、掃除をするとき、など。このロフトで頭をぶつけて悶絶したことは何回もありました…。
また、ロフトの枠部分が10cm程度あり、この部分の高さは実質約135cm。子どもが小学校3~4年生くらいになると、子どもが頭をぶつけないかも心配になるように。
そのため、現在ロフト下スペースはおもに小学1年生の末っ子(写真上)が遊んだり勉強したりするスペースとして使っています。
ロフトがない方の子ども部屋スペースは頭をぶつける心配がないので、おもに上2人が勉強するスペースに。